エヌビディアなどのAI半導体、米政府が輸出規制案-全世界対象に……政府がライセンスするって、自由経済ではない。

ブルームバーグの記事とtomshardware.comの記事である。


トランプ政権はこの数ヶ月で資金力、経済力、軍事力などを利用した排他主義を露骨に示すようになっている。もう、彼自身の人生もそれほど長くないだろうし、彼がやりたいように米国の産業、軍事力、資本力を武器に各国を米国の隷属国として扱いたいということだろう。軍事では、イランの次に武力行使する国も選定している可能性すらありそうだ。

そして、経済面ではこの半導体に関わる対応も米国政府が、販売出来る国を管理しその都度許諾ライセンスを出すというスタイルに段階的に変更していくという話が出はじめた。これは、大規模なAIクラスター(ハイパースケーラー)についてホスト国の政府が米国政府と契約交渉することや、契約の一環として米国への投資が必要になるという。


即ち米国としては同盟国だろうが、仮想敵国だろうが構わず米国の利になる貢献をしてくれない国には、許可を出さない仕組みを作るぞということらしい。まあ、GPGPUは現在とても重要な半導体だからということだろうが、これが本当に発効されるなら日本も行列演算器やGPU、場合によってはCPUの独自開発が必要になるかもしれない。最低でもソフトバンクが所有しているArmの技術を英国政府と共同でPCや産業向けに拡張するための方策を探る必要があるだろう。米国は共和党中心の議会能力も低下しており、トランプ氏を抑える力がないから、進みはじめたら止まらないどころか、大統領令で先行させて中間選挙前までに議会で承認されるという流れになり、戻すのも難しくなるかもしれない。


尚、こういう一例が出現すると今後他にも米国が先端であり、米国にしかないと言える技術がこのようなライセンス制になる可能性もある。今考えられるのは、検索エンジン、Windows、macOSなどオペレーティングシステムなどが有り得る。これがトランプ政権にとって成功だと(自画自賛も含む)言えれば最悪の場合、そうやってライセンスを広げていく脅威はありそうだ。

要は、中国や欧州が自国やEUまたは同盟関係国で米国特許を使わない技術を開発したり、オープンソースウェアの採用を政府や自治体、企業に積極的に推進しはじめているのは、本当に数年、数十年先を考えると正しい行いになり始めたということである。既に米国は、東西どちらの陣営の国にとっても、力だけがある問題児に過ぎず、どんどんそれがエスカレートしているということだろう。果たしてこれは、本当に自国第一主義として成果になるのだろうか?

どちらにしても、長い目でみると米国は衰退するだけだろう。後は、先に衰退するのが米国か、それとも米国の圧力で周りの方が疲弊するかの根競べになるかもしれない。米国より衰退するのを遅くするには、米国以外で米国依存から脱却したいと思っている国々が、協調関係を結び、脱米国を着実に水面下で進めるしかないだろう。まあ、日本の今の政権はやらないだろうが……