カイロス3号機、打ち上げ失敗 発射後に飛行中断措置―スペースワン …… そろそろ契約が困難になるかも。

時事通信社の記事である。


会社側の原因発表は、たぶん成長しているという体で発表されるだろうが、事実上で言うと前回の失敗とあまり変わらないと見られる。

ちなみに初回は打ち上げ時に速度が出ず爆散した。ついでに打ち上げランチャー設備の周囲が火事になった。

2回目は打ち上げ後のセンサー誤信号による姿勢制御失敗である。

3回目の今回はまだ会見がないので速報情報のようだが、ロケット一段目の切り離し前で、何かあったということになっている。

会見を見る予定もないのであれだが、3回連続でペイロードがあっての失敗だと、信用度が大幅に下がってくるので、そろそろ衛星を載せたいという事業者が減ってくるだろう。また、ここは政府が金を出しているので、つぶれはしないかもしれないが、民間から投資する側は見切りに動く可能性がある。成功するまで、本打ち上げを続けるスタンスなら、今回の打ち上げで前回より早くに破壊措置が執られたことは、かなりマイナスになるだろう。

そして、まともな民間の出資者が中心なら、ロードマップの見直しと開発や試験の在り方を抜本的に見直すように求められるだろう。実際にIHIなどは今日の打ち上げが株価にも影響を与えている可能性がある訳で、失敗は成功のもととか言っていられる状況じゃない。政府も、補助金を出せば良いわけじゃなく、早期に成功させるつもりなら、打ち上げ前の試験や予備データの信頼性などを評価して、補助金を決める制度にしないと次こそは次こそはでは完全な民間打ち上げがむしろ遠のく恐れがある。

しかし、このカイロスは今回までの3回を見ると、インターステラのMOMO(こちらはより小型である)レベルかそれ以下の危機管理体制で、打ち上げを行っているように見えるのが気になる。なんか、失敗しても打ち上げを繰り返していればいつかは成功するんだ……という感覚で打ち上げているように見えるのだ。3回目の打ち上げが何度か延期された中に、上空の風が弱いというのもあったが、あれも本来ならかなり問題である。

そもそも上空の風が弱いと打ち上げが失敗するレベルだと、ペイロードを入れての打ち上げそのものが失敗する前提という水準だからだ。凧揚げじゃないのだから、無風または弱いならむしろ成功するぐらいじゃなければおかしい。この辺りを考えると、次も今の体制でやるなら成功はしない可能性は高いだろう。多くの人は、もうそう思っているんじゃないだろうか?


一番問題なのは、そういう風に人々が思い始めたら、実際に次またはその次ぐらいで成功したとしても、高い利益が出るような衛星打ち上げの依頼が来なくなる恐れがあるということにある。今は、低軌道の衛星通信サービスなどのお陰で需要があるので、リスクが高くても打ち上げ契約が後を絶たないという状態かも知れないが……それも、打ち上げ失敗時の保険などのペイが効く間の話である。

IHIはこれが影響してか株価も一段下がったようだし、出資していたり事業に技術を投入している企業にも、この失敗がネガティブだという視点で見られる状況を考えると、体制の刷新やロードマップ、安全体制、開発試験体制(打ち上げが試験実験ではなく、地上試験から行う体制に戻すなど)の見直しをして4号機か新型機に挑んだ方がよいだろう。

実際にそうなるかは、投資家や財政を拠出する政府(行政)次第で、肝心の行政が分かっているかどうかが問題なんだけどね。