「AI脅威論」が物流関連株を直撃、元カラオケ販売会社が市場揺るがす…… アルゴリズム(AI)売りだね。

ブルームバーグの記事である。


NYSEでの株価下落の原因をAI脅威論と書いている日本の記事が多いが、詳細をブルームバーグが書いている。脅威論というよりは、単純な大口のアルゴリズム(今で言えばAIで分析して売買する仕組み)売りだと思われる。最近は、大口の買いもアルゴリズムで処理されるので、半導体など一部のセクターの買いが増してしまって一部の市場が過熱するという悪循環に陥りはじめているように見える。

だから、こんな状況になるのだろう。システムに頼りすぎて、本来の現実的な脅威と、仮想的な脅威をはき違えているようにすら見える。

しかし、AI企業アルゴリズム・ホールディングス(Algorhythm Holdings, Inc.)の当該情報を見たのだが、それが直接業績や人員の削減に結びついているという確証までは書かれていないように見える。

単に今の労働者の中で、配送貨物量を400%増やして効率が400%(5倍)に上がったという話とかに限定されているからだ。それは、1人の労働者にかかる運用負荷がある程度増えているという逆説的な解釈にも繋がるので、労働者側にとっての負担軽減になっているのかも気になる点であるし、そもそもドミナント的な輸送効率改善などを果たしている事業者だと、もしかするとそれほど効率は伸びないかもしれない。


その辺りが、これまでどういうシステムで運用していたのかなど元の基準が分からないと、判断出来ないことなのである。

もう一つの労働者の話もすると、最近、AIとか自動化で思うのは、人が減る分、労働者1人にかかる圧は徐々に増えているという現実もある。上手く機能しているときには、感じにくいし、やり甲斐があると思って働いている人は、その圧も楽しさになるが、年々1人に求められる労働内容が増えていき、新しいシステムが導入されるにつれ、労働者の中には負担だと思う人も増えていく。それが、今は昔より若年層を含めて(昔は若い人では少なかった)加速している気もする。

投資家の多くはそんなこと気にも留めないのだろうが、投資家や経営者が効率ばかりを見るようになれば、労働者が寄りつかなくなることもしばしばあるし、労働者が病んで休職する職場も増えてくることは実際にある。本当にシステムの変更で、これほどの配送力を常時維持出来るのか?というのは、これから問われることになるだろう。この手の影響が出てくるのは、数年後というケースも多いから……


もっとも最大の問題は、大口の投機アルゴリズムというAIそのものを信用しすぎて機関投資家が投資先を決めていることなのだろう。ある意味で、AI脅威論の一番怖いところは、AIが人や今のシステムより遥かに優れた結果(膨大な利益)を生み出すと過信しすぎていることかもしれない。それが、投資アルゴリズムも含めて、全てで過度に乱高下をもたらし、結果的に個人・一般投資家の「気」を削いでいる可能性は大いにあり得る。

これを木を見て森を見ずというのだろう。本来なら、森全体をしっかり見て、何が過剰で何が足りず、何がどこまで出来て、何が出来ないのかを誰が見ても一元的に分かる様に可視化することが大事なのだが、それがAIの能力評価では十分に出来ていない(基準が十分にない)から、こうなってしまっているのだろう。

もし、これが不十分で誇大なものだと、結果的にAI産業に対して失望が生まれることになり、既存産業の方が評価されることになるかもしれない。