米国がWHOとの関係を断絶、世界的な感染拡大への対応に支障 …… CDCが弱り麻疹の流行で麻疹撲滅ステータスも危うい中で……
NBCとCBSの記事である。
日本も離脱すべきだという人もいる程度に、WHOに対する不信感が先進各国にあるのは事実である。理由は、SARS-CoV-2の感染拡大において発端となった中国武漢での大きな感染拡大の封じ込めに失敗したことが影響しているだろう。それに加えてワクチンを強制接種での副反応による反ワクチンの動きも重なっていると思われる。また、その対応を行ったテドロス事務総長に対する不満もあるかもしれない。もっとも、彼は2022年に再任されているが、その時には対立候補が出ることもなく、さらに160票中155票の信任票を得ており、少なくともWHOや日米をはじめとした各国から出ているWHO関係者やWHOと関連する役人、政治家は彼で良いと見なしていた訳であり、少なくともそれに多少なり影響するであろう政治家を選んだのは、各国の国民である。
米国がこれを離れるのは、WHOに対する費用負担が重いからという理由だ。1億1100万ドル(年会費)+5億7000万ドル(拠出金)である。しかし、これらのお陰でエボラなどの感染拡大を封じ込めてこられたのも事実であるし、貧困地域での伝染病などを早くに抑えることが出来たという実態があるが……。今後は、それが止まることになる。米国の負担分を他の国が今後背負うことは出来ないだろうから。
今後これの終了で、年間75万人以上の超過死亡が世界で起きると見られるそうだ。また、今後新しく広がる未知の感染症などが見つかった場合に、米国の対応が後手になる可能性もある。そもそも、米国はCDCの姿もケネディ・ジュニア氏の影響で大きく変わった。そして、今麻疹(はしか)が流行しており、これまで撲滅ステータスだったそれが感染拡大国に変わる瀬戸際にある。
これは、ワクチン接種の義務が緩和された影響に、マダガスカルなどアフリカで流行が起きている中で、海外からの侵入が起きたからである。予算の多くを拠出してきた米国がWHOを離脱したことで、今後、アフリカ等での感染症予防のためのワクチン配布や接種も減っていくだろうから、海外からの旅行客が多い国では、こういう感染が市中に広がり始めるかも知れない。
また、インフルエンザなどの評価部会なども米国は出席しなくなる見込みだ。そのため、季節性流行ワクチンなどの生産決定や流行追跡などにおいて米国はもちろん世界でも影響が出てくる可能性がある。何せ、米国の情報がWHOを通じて世界に流れることがなくなるからである。
尚、米国は今年の拠出金を出す予定はないとしており、たぶん来年も再来年も大統領が同じ間は復帰はないだろう。その間に、季節性疾患を含めた感染症において米国や他の世界の国々の衛生環境が、目に見えて大きく悪化はしないかもしれないが、少しずつ目に見えない形で崩れてくることだろう。もし、大きく崩れた場合は、SARS-CoV-2の最悪想定を上回る何かに2030年代に到達するだろう。
保健とか衛生というのは、保険と同じである種、お金を無駄に払っているように見える状態であることが、一番良い状態である。これを支払わなくても問題ないと思うようなって、止めるとたいていは状況が徐々に悪化して行く。何せ病気や怪我、不慮の事故というのは、時間の経過に伴って必ず起きるものだからだ。最後はそれが間接、直接の原因で亡くなる人の方が多い。眠るように死ぬ老衰なんて殆どの場合ないのだ。そう考えた時に、この仕組みからもっとも裕福な国に相当する政治のリーダーが自ら脱退を進めるのは、ある種の災難だと私は思う。
その代わりになる組織を作るとか言っていたが、その気配もないし……CDCも滅茶苦茶になってしまったし……
