NetflixによるWarner Bros. Discovery, Inc.の買収は承認されるのか?…… 懸念を示す米大統領。

NBC Newsとブルームバーグの記事である。


考えて見るとWarnerは前回も、バブルかそうではないのかという時に合併の話が出て、実際にAOLと当時は時代が変わるとさえ言われた世紀の合併をしている。ただ、合併後にドットコムバブル(日本ではITバブル、インターネットバブル)が崩壊して、崩れ去った。その後は、Time Warnerに戻ったが、2013年にTime紙を完全に独立分社(スピンアウト)し、さらに2014年には当時のFox率いるマードック氏が買収提案をして、結局撤回され、2016年以降はAT&Tが買収を模索して、2018年に買収されWarner mediaとなった。

そして、2021年~22年に再びAT&Tからメディア事業全般をスピンオフされて今度は、Discovery,Inc.と経営統合されることになる。Warner Bros. Discovery, Inc.という社名はこの統合が行われた結果である。この中にはCNNやWarnerのスタジオ事業、HBO Max、AT&Tの供給していたスポーツコンテンツ事業なども含まれている。

ただ、コロナ渦も終わっていき、これらの事業収益性が物価高とテレビ事業(ケーブルテレビを含む視聴型のテレビ、日本で言うと地上波とCATV及びCSに相当)で業績が悪化していくことになる。で、分社を再び検討していると話が出たのが25年7月である。ちなみに、分社さられるのは、ストリーミング事業とスタジオ事業で、それ以外のCNNやDiscoveryなどが扱っている放送事業(テレビ)は含まれていない。


当該記事は、買収が発表された後の大統領の懸念に関する内容だが、実は大統領が懸念を示している理由の一つが、全米脚本家組合(WGA)が、これに対して懸念を表明していることや、実際にシェアが大きくなるため米国だけでは無く他の国でも承認が必要になり、地域によっては事業の一部売却などを求められる可能性もある。即ち、これから司法当局が動く可能性はあるということだ。

もっとも、今の米国の司法などで見ると、ネット配信業者と制作会社であるため、Netflix側の言い分で言えば、これは独占には当たらないということになっている。

これとは別に、買収が決まった後この交渉に参加していたパラマウント(パラマウント・スカイダンス)側が敵対的買収を未だに模索しているという報道もある。

しかし、Warnerは買収劇がこの10年ぐらいで見ると他より多いのは、AOL Time Warnerの失敗の影響もありそうだ。これにハリウッド自体での映画制作の質が低下して、続編シリーズが増えていること。制作コストが高騰して収益を圧迫してしまっていること等があるのだろう。

後は、これがもしもドットコムと同じバブル期だったら、結果的に高値で掴んで……NetflixもWarnerも苦労するという可能性もある。