キヤノン、コンデジ「IXY650」マイナーチェンジは中高生のため!? コンデジの意外な需要…… コスト削減のためのセンサー変更かな?

AV Watchの記事である。


本当に想定通りに売れるのかは分からない。ただ、コンパクトスチルカメラは近年価格が上がってきているので、4万~5万ぐらいの価格で買えて、それなりに安定して使える持ちやすいカメラブランドがCANONしかないから、学校などで一括導入されたり、学生が買うような流れになっているのかもしれない。

しかし、カメラとして良い物かというと、そうではなくコスト削減をしているのだろうなというのが良く分かる。

IXY 650mに採用しているセンサーは1/2.3型なのでスマホの上位機種に採用されている製品のメインカメラより下手をすると小さなセンサーになる。例えば、iPhone17のメインセンサーは1/1.56インチであるし、ソニーのミドルハイレンジに相当するXperia 10VIすら1/2インチなので、センサーサイズはスマホの方が大きい。

その代わり、スマホはセンサーピッチ面では不利な48MP CMOS BSIの解像度だけにピクセルビニングを採用しているという違いがあるので、画質では劣るだろうが……。

ちなみに、キヤノンの方は2020万画素(20.2MP)のCMOS BSIセンサーである。
光学焦点ズーム域は25mm-300mmで12倍ズーム、35mm1倍換算だと8.57倍になる。尚、24倍プログレッシブファインズームというのはトリミング+ノイズリダクション等のソフトフィルタを使ったデジタルズームで35mm換算だと17.14倍相当である。デジタルズームの最大はプログレッシブが機能する2倍までではなく、最大で4倍まであるので、最大デジタルを含めた最大望遠は48倍であると思われる。写真撮影だとこのズームを使う理由は特に無いだろう。後から、画像編集ソフトでトリムした方が良いかもしれない。

これが、中高生向けの修学旅行に向けて売れるだろうという話である。どうも前のモデルであるIXY650がその需要を喰っていたからなのだろう。


前のIXY 650は2016年5月26日に発売されており、昨年末で生産は終了しており在庫限りとなっている。

その時点でも製品としてはエントリーとしても、それほど特筆したものではなかった。当時だと、ソニーのDSC-RX100の初代などがエントリー向けでも買えるぐらい安く売り出されていたはずの頃だからだ。今では、このRX100は桁が変わって高級機になったので、IXY 650に需要が生まれたのだと思うが……。

この650はDIGIC 4+を画像プロセッサーに搭載し、FSI CMOSの2020万画素で25mm-300mmの焦点距離(35mm換算)だった。ちなみに、これも24倍(デジタル2倍)までプログレッシブファインズームをサポートしており、最大4倍のデジタルズームで48倍ズームが出来る。


この新旧の違いは、
違いは、裏面照射のBSI CMOSセンサーに変更されていることと、PictBridgeなどの機能がmにはないこと、SDメモリーカードからMicroSDメモリーカードに変更されていることなどのようだ。

尚、これら二つの機種はどちらもUHS Speed Classをサポートしていない。また、動画の4K撮影もできない。動画は1080p30までとなる。ISO感度も最大3200までと低めである。


この辺りから分かるのは、まずFSIセンサーが少なくなり安定入手が困難になるので、BSIに置き換えたと考えられる。ハードについては、わざわざ新規開発してまでコストをかける理由もないので、価格をなるべく抑えて、製品を出すために一部既に使われないコンポーネントや脆弱性の影響を受けそうな機能を削減し、スマホなどと連動しやすい実用的な部分を残したという感じだろう。

SDカードからMicroSDメモリーカードのみの対応にしたのは、スロットの単価がSDカードスロットより安いからと思われる。これは、車載用カメラや、ウェアラブルデバイスなどの記録用にMicroSDメモリーが使われることが増える一方で、スタンダードサイズのSDカードは、デジタルカメラや一部の情報機器などでの採用を除いて採用率が減っており、SDカードスロットは高速などの用途のみに向かいつつあるからだ。よほど速度信頼性を求める訳でもないし、MicroSDにしてコストを下げたのだろう。


今もまだコストプッシュで物価が上がっているので、世代後退して性能も上がり、据え置き価格だったり、価格が下がったりということが起きなくなった。それどころか、売れそうな客層や価格で如何に製品の質を見た目では下げずに、価格を安定させるかというのも、ミドルエンド以下のエントリー製品などでは課題になっている。それを、体現したのがIXY 650mなのだろう。

中高生のためのマイナーチェンジと称しているが、部品調達が困難になる中で、どうやって上がるコストを抑えるかに重点を置いた結果がこれだと思われる。ちなみに、まだIXY 650は市場在庫が一部店舗などで残っているようなので、IXY 650mを買うよりも、SDカードが使えるIXY 650を求める人は、今のうちに買って置いた方がよいかも知れない。もっとも、画質などを求めているなら、IXYじゃなく PowerShot G7 X Mark III などの方がよいだろう。10万以上価格が違うけれど……