2026年にRubin、27年にRubin Ultra、その先は28年にFeynmanへ……今後のNVIDIAロードマップは半導体物理の限界を追求し続ける見込み。

tomshardware.comとVideoCardz.comの記事である。


GTC 2025でNVIDIAが新しいGPUと今後のGPU ロードマップを発表したというものだ。
これはデータセンター向けの情報なので、デスクトップ/ラップトップ向けの製品が同じ年に出るかはまだ分からないが、ズレても数ヶ月だろう。そして、これはコンシューマ側から見れば期待が萎む物かもしれない。

今回の発表ではBlackwell Ultra(NVL72)というデータセンター向けGPGPUの発表があり、25年後半を予定している。HBM3e 288GBのRAM構成である。

その後ろにVera Rubin、Rubin Ultraが控えている。これは2026年後半~27年になる。新型のArchitectureになり、VeraはNVL144という型式になる見込みで、HBM4 288GB RAMとDual GPU構成(レチクルサイズ級※を2個)になる見込みだ。

Rubin UltraのNVL 576は27年を予定しており、Quad GPU(レチクルサイズ級※を4個)/1024GB HBM4e構成になる。

※レチクルサイズというのは、フォトマスク転写の上限サイズに相当する。即ち1つのロジックプロセッサーとして製造出来る上限サイズである。

そして28年以降にFeynmanへと移行する。

はっきり言えば、GPGPUの消費電力は更に上がるだろうということは確実である。Ultraの時点で4倍になる可能性がある。但し、性能は12倍なので電力効率で見ると約3倍効率が良くなるぐらいだろう。それから、標準のコア構成がレチクルサイズで2個、4個と増えるということは、よりウェハ1枚辺りで生産出来る製品の数は減少することを意味している。即ち、GPGPUの製品単価は上がり、一方でフル生産しても出荷出来る数が減ることを意味している。

下手すればクライアント向けの製品は今後さらに減るかもしれない。

しかし、この調子で微細化が進まない中で、大型で大電力になるであろうGPGPUの開発が進むなら、本当に電力が足りないでは済まなくなる可能性が高い。正直、データセンターの電力枠をそろそろ国際的にルール作りをしてでも決めて行かないと、人が使うエネルギーの数百倍を生成AIを24時間稼働させるためだけに動かして、生活環境(電気代の高騰など)や世界の自然環境悪化(温室効果)に繋がる勢いが加速するという結末が現実味を帯びてきている。未来の環境破壊予測に大電力のAI予測を使うのが、むしろ我々の生存権を脅かしてくる結末に向かいそうだ。