NVIDIA、GPUの供給不足にRTX 40の頃に比べて2倍供給と説明も…… Ada発表後最初の5週はRTX 4090だけだった。
tomshardware.comの記事である。
NVIDIAも昨年の今頃のIntel同様に、今回はかなりメディアや世間に叩かれつつある。だから起死回生のためにいろいろポジティブキャンペーンを打とうとしているようだが……1つ墓穴を掘ったというのがこれである。
NVIDIAが発表したのは、5週間で出荷されたNVIDIA Geforceの数量をRTX 40ことAda Lovelaceと、今回のRTX 50ことBlackwell 2.0で比較したグラフだった。5週で2倍も出荷されていて我々は頑張っているのだと発表したのは良いのだが、tomshardwareはこれを真っ向から否定した。何故なら、RTX 50は5090/5080/5070Ti/5070を既に出荷しており、一方でRTX 40はこの5週でまだRTX 4090の1モデルしか出荷されていない日数だったからだ。
最初のスタートは2倍あるのは当たり前で、4090の時はそれだけが出荷され5週を過ぎてから、4080が登場している。5090と5080は同時だったので……というわけだ。
そして、その後5週の間に追加で2製品が出ているわけで、この5週で達成すべき数字は2倍では足りなかったわけだ。そもそも、5090などのエンスージアストモデルは価格が高いので出荷台数も購入する人も元々少ない。それに対して5070系などは価格が下がるので、売れる個数も数倍多くなるはずである。そう考えると、2倍という数字は激烈に出荷数が40世代の頃より遥かに不足している可能性を示しているわけだ。
さらに、記事では40世代の頃も品薄になり、価格が暴騰していたことも書いており……完全に、墓穴を掘ったという話である。何よりヤバいのは、NVIDIAのこの情報が公式であるということを鑑みると、モデル数に対して今も生産数は全く足りていないことを示しているから、拙いとしか言いようがないのである。これでは、下手すれば5060系も定価より高くなる可能性がある。
記事のタイトルがそれ絡みなので、その話が中心だったと思われるだろうが、実際にNVIDIAがこの発表で伝えたのは、以下のVideoCardz.comが書いているRTX Remixのβ版を終了したこと Half-Life 2 RTXのデモがGDC’25に合わせて始まることのようだ。
ただ、記事としてのまとめは入手性の低さが問題で販売価格が転売価格並に上がっている問題があり、その根本にはデータセンター用の需要の高さによってコンシューマ側が割を食う状態があると思われるので、今後も解消は難しいかもしれないというものである。改善がもしも見込めるとしたら、RTX 5060/5060Tiで……だが、まだ価格も入手性も分からないと終えている。
今、RX 9070も世界的に転売のラインに乗っかりはじめ、価格が既に急激に上がっていることが、判明しているので、NVIDIAの供給不足がAMDのGPUに向かい、それすらも供給不足になるというドミノ型の不足に陥っている現状では、暫くは供給改善はないと考えた方が良さそうだ。これは、安定して先端のロジックプロセッサーを製造出来るのがTSMCだけという影響もあるだろう。
しかし、今RTX 4060が6万とかで売っているのだから恐ろしい。これでは、GPUを買う予定はないという人が増えるのも無理はないだろう。