AMD Radeon RX 9070 XT の 32 GBの噂を否定 …… 計画はないと完全否定。

wccftech.comの記事である。


この噂はTechPowerUpなどから上がっていて拡散中の噂である。多くの場合この手の噂は嘘でも誠でも放置されることもあるが、さっさとAMDが否定したということは、出す予定が本当にないからなのだろう。

記事では、AI向けとしていたものの仕様を考えると性能の向上が期待出来るものでは無かったとも書かれている。
まあ、RDNA4でAI向けの32GBという話があるとすれば、Radeon RXではまず無いだろうから、どこかで話が置き換わったか、関係者が別の話をRadeon RXでも出る可能性があるのではと勝手に推測したかのどちらかだと思われる。

一応この流れがどういうことと考えられるか推測を説明しよう。

AMDは現在一般向けの上位GPUの開発を一端止めており、RDNAも近い将来UDNAに置き換えると述べているなど、GPU事業の抜本的な戦略転換を行っている最中である。

だから、RX 9070と9070XTより上の製品計画はRDNA4では予定されていない。故に、この2つの収益性はとても大事であり、もし、上位が出るから待とうなんてことになると、AMDの損失にしかならない。よって、速やかに無い情報をうち消すことにしたのだろう。また、存在しないのにAI向けにも使えるとかいう話をされてもまたAMDにとっては都合が悪い。

AMDはAI向けにはInstinct MIやRADEON PROというラインナップが別にあるので、VRAMを増やすならRADEON PRO W9 Seriesを出すだろう。AI向けならRadeon RXではまずない。Radeon PRO W9070(あくまで一例の推測である)とかになると考えられる。これなら、ゲームも出来るのは出来るが……但し、AMDのPRO系カードは伝統的にシェーダーユニットを行列演算側により多く応用するようにチューニングしているので、同じ最大クロック周波数でCPU数でVRAMが多くなるとしても、ゲーミング性能は大きく落ちるだろう。


AMDがうち消しを急いだ最大の問題は、このwccftech.comの記事にもあるが、「PROファミリーではなく、「Gaming」シリーズに属すると報告されました。」ということで広がったことが原因だろう。元々PROファミリーでは計画が「あるか」または「あった」可能性が高い。実際に出てくるかは別としても、そういう話があれば、誰かがそれをGamingにも転用出来るかも知れないという噂として伝えて、それが、Gamingに属して出ると書き換わったと考えると、辻褄が合う。

多分RDNA4のPROについては今も計画があるだろう。それが32GBで出てくるかどうかは分からないが……それで出てきたとしても、ゲーミング向けではないので、一般のユーザーが買って満足出来るものではない。

尚、もしAMDがRDNA4で32GBを出す計画があったならば、RX 9070型式ではなくRX 9080より上のSKUか、9075といった型式を名乗るだろう。CUの数が増えなくても性能が例え上がらなくてもそれぐらいはして売り出さないと、ブランドの価値やコストに対して、割に合わないだろう。