Radeon 8060Sは発表より少し弱めの性能!? …… 3D Mark Time Spyの結果がリーク。

VideoCardz.comの記事である。


これが本当にRyzen AI Max+395なのかはちょっと良く分からない。Time SpyのデータではRadeon 8050Sとなっている辺りも含めて、何らかのチューニング不足が生じているか、正しく計測出来ていない可能性もあるからだ。ただ、これが8060Sと仮定してみるならば、性能はAMDが発表している期待値より今のところ少し低いと考えられる。

もっとも、iGPUの製品群は、最大の性能が出る条件が結構シビアである。特にモバイルプラットフォームで高いTDPを求めている製品は、筐体の放熱能力が少し悪くなるだけで、サーマルスロットリングによるリミットが働くからだ。その上、メインメモリーとVRAMが共有されているので、メモリーアクセスがCPU、NPU、GPU、DMA(周辺機器・デバイス)の間で多ければ、それに引き摺られる傾向もある。だから、最終的なドライバー/ファームウェアの完成度の高さはもちろんのこと、使っている筐体の仕様が性能を決めるという側面が強くなる。故に、これだけで判断するものでもない。

ただ、この段階でiGPUとしては凄い性能であるのは間違いない。何せ、Geforce RTX 4060 Laptop製品向けと同じぐらいの性能は出ているからだ。尚、デスクトップで考えるとRadeon RX 7600並らしい。

問題は、搭載予定の製品が今のところ2つのメーカーの3製品敷かないらしい点だ。HPの2製品とASUSの1製品である。これはLunar LakeのCore Ultra 200Vと違って、省電力でもなく、一方でこの成績だと圧倒的なパフォーマンスとも言い難いというのもあるだろう。メモリーの容量を増やしたりすれば、もしかすると成績がもっと上がるケースもあるかもしれないが……そうすると、価格も上がるだろうし……どういう市場向けにいくらで売るのかにおいて、メーカー側でも現状で消費者への売り込みの仕方が定まらないという問題があるのだろう。

まあ、初物というのは往々にしてこういうものである。

この製品群にとって重要なのは、今じゃ無い。
この先もこのスケールのiGPU開発が続いて、2世代3世代目になったときに、価格が少しでも熟れ、TDPももう少し柔軟性を持たせるようになれば、大きく化けるだろう。