PassmarkのCPUサンプルスコアが昨年初めて低下…… アップロードされたサンプルDBの平均スコアの話。

tomshardware.comの記事である。


Passmarkが公表したデータによるとオンラインでサーバーに送って貰うベンチマークスコアの平均パフォーマンススコアに関する興味深い記事である。昨年はこのベンチマークサービスをはじめてから初めてCPUのパフォーマンススコアが低下したようで、モバイルでは特に3.4%と顕著に低下したようだ。

記事には不可解とかそういう内容が書かれているが、端的に言えば物価高もあってPCを買い換える際に高性能なものを買えなくなっているというだけだと思われる。特にモバイル製品群は、上位モデルの価格が天井高になっている品も多く、一般消費者が買える範囲内にハイエンドが見当たらなくなり始めている。その上、CPU性能を求めなくても、若干速度が遅くなっても一般的な用途には困らない程度の性能が下位のモデルでもあるので、ゲームや高度な動画編集など特別な目的がない人からすれば、性能はそこそこで良いと思っているのだろう。ベンチマークを回してアップロードする人ですらそうなってきていると思えば、簡単な話である。

もう一つ言えるのは、CPUだけでは性能が決まらないというのも重要だ。今ではCPUよりもGPUの方が性能の向上に寄与しておりそちらの価格がCPUよりも高いペースで値上がりしたこともあり、CPUの投資をそこそこに抑えてGPUをより良いものにする人もゲーマーなどには多い。結果、CPUの性能はそこそこに留まるようになったことも考えられる。

最後に、記事にもあるがCPUの性能上昇そのものがさほど伸びなくなったというか、伸ばした方法が失敗を生み出したというのも理由の一つだろう。昔は、1世代で2割以上進化を遂げたこともあったが、昨今はクロックスピードを上げすぎて爆熱になり、故障するCPU(Raptor Lake-S/Raptor Lake Refresh-S)というのが昨年話題になったほどだ。また、管理者モードでしか性能が発揮できないCPU(Zen 5/Granite Ridge)問題もあって、その改善まで売れ行きが芳しくなかった会社もある。

この影響で、上位のCPUが軒並み売れなかったというのも影響しているだろう。1度、そういう不安が生じると後の売上げにも影響する上、その影響がないさらに上のプロセッサーが品薄になったり、影響はないが結局評判が悪い後のプロセッサーを見て買えなくなる人も多いはずで……ならばCPUはそこそこでいいやとなる訳である。

少なくともベンチマーカーとなる購買層が、ベンチマークする製品の性能が下がっているのは間違いない。もしかするとWindows 10のPCで今一度ベンチマークを確認して、11をどのぐらいの製品にするか……とか調べたという可能性もあるかもしれない。

どちらにしても、ベンチマークというのは購入した時だけにやるとは限らない。何らかの指標が必要で、やる理由があってやっていることが多い。もちろん買い換えたが一番の大きいが、例えば、GPUを交換したとか、メモリー増設をしたとか、単にストレージを交換しただけでも、回す人はいる。その時に結果をアップロードしていると、年次の平均スコアは下がるだろう。

コンピュータの買い換えサイクルは世界的に年年長く遅くなっているので、そういうことであると考えた方が自然である。まあ、安いRyzen 5700X辺りでPCを組んでいる人が増えたというのも有り得るけれど……