NVIDIAが提唱するニューラルテクスチャー圧縮(NTC)はVRAMを約9割弱節約するが、その代償に性能を喰う。
tomshardware.comの記事である。
NVIDIAがRTX 50(Blackwell 2.0)と共に投入したNeural Texture Compression(ニューラルテクスチャー圧縮/以下NTC)のベンチマークに関する最初の記事になる。これまでとは比べものにならないほど圧縮効率が高いことが判明し、ゲーミング時に最大で96%もVRAMの使用量を減らすらしい。しかもRTX 4090でその能力を発揮したようだ。
しかし、これには代償があり、NTCを使うと圧縮、伸張に伴う追加演算が必要になるためか、描画性能は大きく下がるようだ。特に高解像度になるほどにその影響が大きくなることが分かったようだ。本末が転けた話である。そもそもフレームレートなどを上げる為に、VRAMを増やしたり、演算能力を上げているはずなのに、VRAMが足りないと言われることの対策として、高度な圧縮を組込んで実際の結果としての成績が下がるのだから、面白い。それでも、フレームレート事態は4Kで1700fpsが1500fps(テストベンチマークなので演算負荷は低いと思われる)になる程度なのだが……まあ、VRAMが不足することで性能が下がるゲームでは、効果がそこそこ期待出来るかもしれない。
このテストでは、GeforceRTX 4090を使っているのでVRAMの不足という問題が事実上生じない。何せ、ゲーミングでは少なくともGeforce RTX 5090が出てくるまでの間、最上位だったからだ。この環境では1440Pで特に成績が良かったが、それでも性能は低下したことから、明らかにVRAMの容量が枯渇して、それがボトルネックになった時、どういう効果があるかを見ないと実際にこれが効果的に機能してくれるかは分からないだろう。
一応、この機能はNVIDIAによるとGitHubに公開されている情報からRTX 20以降のサポートになるが、一部のユーザーが確認したようで、GTX 10やRadeon RX 6000でも機能はするようだ。VRAMの不足でゲームの性能が思うように上がらないユーザーには朗報になるかもしれない。
もっとも、NVIDIA GPUの場合、ゲームだけが目的の人というよりも、ゲームにも使うがそれ以外で主に使うユーザーも多い。
VRAMを必要とするユーザーの大半は、ゲーミングよりもCUDAによる何らかの作業の時間短縮であることも多いので、VRAMは増やしません。圧縮でVRAM節約しますという売り込みが評価されるかというと、そういうユーザーの1人として見るとなんだか酷いなと思うところである。