日本生命、フジCMを差し止め トヨタ自動車も、各社に拡大 …… 大衆報道への不信感は強まるばかり。
共同通信47NEWSの昨日の記事である。
最近、我が家では日曜日の18時30分からサザエさんが点いているのだが、昨日の放送では日産CMとP&G、宝くじのCMが入っていなかったように見えた。これが、それだったのかは分からないが、ACに差し替えられているのが何本かあったので、それだったのだろう。サザエさんはフジテレビでも視聴率がかなり高い放送なので、普通はACには置き換わることがないのだが……今回は明らかに失敗したと言えるだろう。
いや、下手するとP&Gやネスレ、VWなどの外資を中心に日本の大手でも日本のテレビCM全体から徐々に離れる事も有り得るだろう。これは、日本の報道機関そのものが、アウトといって良いぐらい、これまでの対応が不味いからでもある。
理由は簡単で、この2年~3年で日本のテレビ業界に対する不信感は、幾度も生まれいずれも世間や海外の人権団体などが、禊ぎが済んだとしっかり確認出来た事例がほぼないからだ。
最初は、ジャニー喜多川性加害問題だった。あれで、そこそこ調査報告書で示し動いたのは、TBSだけであったと私はみている。当時もそう書いた。それでも、ギリギリ及第点あるかないかぐらいだった。他の放送局は、どれも甘かったし、お茶を濁した程度だった。あれほど報道して結局逃げたとも言える。
次が、日本テレビが漫画原作だったセクシー田中さんの制作において、原作者の意向を無視した脚本でドラマが作られた問題だ。原作者が物申し修正した件について、脚本家側からの誹謗中傷と思われるSNS投稿を受けて原作者が亡くなった事例だ。間に日本テレビが入ることもなく、出版社側も上手く対応出来ず、結果自死され、原作は未完の作品となった。この時の日テレの初期対応は今のフジテレビジョンと実は大差なかった。実は、この後から、国連の人権団体の動きが主に日本の出版や映像制作に関わる部分で大きく変わり始めた。
そして、松本人志の問題もあった。これは、テレビが直接関与したわけではないが、一部重用してきた放送局では、どちらかというと抑制的な情報を流してきた。その中にフジテレビや、日本テレビが含まれていたりする。
実はこの頃から大きく変化したのが、VISAやmasterカードのWeb決済における日本の成人向けコンテンツサイトへの格付けが不適格に落とされはじめたというのがある。これらが、たまたまだったのかは分からないが、全く関係していないとも言えないのかも知れない。何せ、世界において、こういう有名人や大物監督などが地位を利用したと思われるレイプまたはそれに近い行動をとったとされるケースでは、ほぼ許されたケースがないからだ。少なくともその後業界からは完全に干されている。
日本はそれを未だに敢行できていないため……国際的な人権団体からの目は厳しくなり、そういうコンテンツが切っ掛けではという動きも、実際問題として欧米では一部映像や原作制作陣などから出はじめていた。
今回フジテレビジョンの社員を上司が中居に貢いで斡旋したのではないかという疑惑は、メディアホールディングスに投資している海外の投資ファンドから疑義(意見書)が出て大きくなったが、もし出なかったならなあなあで時間が経てば消えると信じて、伝えなかった可能性がある。そして、投資ファンドから出た事で、慌てて頒布を翻すという荒手に出た訳で、日本ではフジテレビジョンだけを必至に悪者に仕立て上げようと報道機関も動き出していると見ることも出来る。
実際問題として、日本の国民もいやいや本当にそれはフジテレビジョン「だけ」の問題なのか?と誰もが感じている状況にある。それを三谷幸喜も番組上で述べたという話だが、当たり前のことである。意見書が出はじめる迄、テレビ局全体や新聞社も含めて本気で報道しないなんてことはあり得ないからだ。
そうやって考えた時に、次に起きるのは何かという話になる。日本は人口減少社会に入っているので、日本だけで利益を上げるのは年年難しくなってきている。その状況で、日本の報道が報道機関の問題をしっかり伝え、忖度なく事実を伝え正すことが出来ないなら、次はさらに別の何かに海外から圧力が掛かるだろう。メディアと一体化している報道機関そのものが自力で制作する能力をさらに失うだけなら良いが、質そのものに影響したり、新たなコンテンツ製作者が日本から生まれるはずったのに、その卵すら生み出せなくなるように手が打たれるかもしれない。
そうならないためには、報道機関が他の報道機関が問題を起こしているなら、率先して報道に動くことである。それと同時に自分の会社にもそういう悪しき慣例があったなら、いつからいつまでありましたと認めることも大事だ。そこまで自分からやれば、世間も国際社会も、変わったとみるだろう。
このままいくと、外資はもちろんだが、国内の大手すら日本のテレビにCMを供給するのをより縮小して行くことも有り得る。元々、日本ではテレビ視聴は減少の兆しがある中で、高齢化も進んでいて、CMからの新規顧客が増える時代でもなくなり始めているからだ。特に大手企業だと今ではよほどの新商品でも出ない限りはあまりCMを打つ価値はないはずだ。若年層や子どもが多い時代なら、子どもに浸透するようなCMによる知名度で伸びることもあるが、年齢層が上がると定番や価格などに動く傾向が強まるからだ。
供給する理由も付き合い程度になっているところも多いはずで、そうなると一社スポンサーでメッセージ性が高い番組を除けば、テレビよりもネットなどのスポンサー広告を広げた方が、確実にCMになることも多い。不祥事や世界で進む改革に相当する対応が各社悪いとなれば、定番を扱っている大手はCMをする理由が大きく下がるのである。
まあ、これまでも上手く行っていないからこれで、改善されるとも思えないが……どこまで落ちていくのかは気になる。そもそも、ネットで配信される日本のドラマや映画、アニメーションなども結局は、テレビ局が主体で作っているものが多い中で、これ以上落ちるようだと、そういうコンテンツにも影響が出かねないだけに、本当にフジに限らず全ての放送局や報道機関が他人事ではなく、自分にも日本全体にとっても、このままだと大きな没落に進みかねないことを自覚して欲しいと思うのである。