AppleはiPhone 17にベイパーチャンバーを採用しパフォーマンスを向上!? …… Appleの本当の目的はそこじゃないかな?
wccftech.comの記事である。
ベイパーチャンバーは、既にAndroidの上位スマホには採用されているモジュール式の液冷却機構である。ヒートパイプ熱伝導に液冷を使うがポンプ方式ではなく、自然気化と凝縮による循環を利用した方式である。冷却によって凝縮し液体に戻ると毛細管現象で液体を吸い取り、熱源に再送する方法を使っているので、大大規模には出来ないものの小型薄型のデバイスでは効率的に熱分散が出来るので、熱量が多いスマホでは利用が当たり前になっている。
但し、これには欠点もあって、ベイパーチャンバーの放熱版エリアの周辺(直下)に強い熱源があると、凝縮がうまくいかなくなるため、熱の発生が少ない場所が必要であると同時に、冷却効率をより高めるにはそのエリアを広くした方が、効率的になる。即ち、熱をどこで逃がすのかという設計が重要になる訳だ。それを誤ったり、その放熱エリアをユーザーが塞いだりすると……性能が大幅に低下する。これは、ヒートパイプだけを使う方式でも同じだが、ベイパーチャンバーはより熱拡散を高めているため、放熱版エリアを塞いだときのサーマルスロットリングによる性能低下が顕著になるケースが多いのだ。効率がより高いということは、熱を逃がす場所を埋めると熱がより隠ると言うことだから当然だ。
Androidでも特に夏場にケースのせいで性能が落ちることはとても多くある。
iPhoneでもそういうケースがケースの種類によっては以前より出てくるかも知れない。
まあ、冗談はさておき
これを採用するのは、単純に採用した方が性能比でのコストが下がると見込んだこともあるだろう。全製品に採用する方が安く冷却パーツを供給して貰えるとか、そういう理由だと思われる。では、何故今かというと、元々薄型を開発する中でこれを使わないと熱設計にあった性能が出なかったのは確実だろうし、いっそ、他にも使えば部品コストを下げて、性能も底上げ出来る。後は、先端半導体の微細化による性能アップが徐々に弱まっていることで、インパクトが失われている側面に対する多少の対応もある、と、考えれば一石二鳥か三鳥かになる。
ただ、wccftech.comが書いているほど劇的なインパクトを与えるほどのクロックアップはしないだろう。それをやると、Appleが消費者から求められている安定とケースなどに入れていても、性能が損なわれにくく、最大クロックがある程度維持出来るという側面を下手すると失うからだ。Appleはベンチマークによる瞬発的な性能の発揮よりも、継続的な性能の安定に力を入れているので、今までより大きく伸びが鈍化することはない程度に頑張るだろうが、大幅にということは無いだろう。ベイパーチャンバーの最大出力を生かしすぎると電力も喰うし。
これは、あくまで私の予想だけどね。