NVIDIAがMediaTekと共同でデスクトップCPUのリリースを計画 …… 利益を出して売れるためのコンセプトが足りない。
ロイターとwccftech.comの記事である。
NVIDIAのCEOがデスクトップCPUに関して、何らかの計画があることを匂わせたというものだ。ただ、実際に出てくるかどうかはわからない。少なくとも、今のMicrosoft Windowsの現状を見ると、ARM版はなかなか売れないだろう。そう考えると、x86ベースのライセンス取得をNVIDIAやMediaTekが狙っている可能性や、UbuntuなどのLinux向けで計画をしている可能性もある。
MicrosoftもQualcommとの独占契約をしているので、MediaTekなどが入る余地もあるかどうか不明だからだ。
これが、売れるかと言われると……Windows向けならアプリケーションソフトの互換性問題が必ず横たわるので、価格によほどのメリットがなければ売れないだろう。デスクトップだと特にARMのメリットがない。省電力では売れないし、高性能でも一体型なら自作ユーザーなどのパワーユーザーが買うとは思えないからだ。それを考えると、デスクトップはx86ベースの方が好ましいということになる。Windowsならば……だ。
どちらにしても、はっきりと投入計画が見えてくれば、どこかで発表されるだろう。元々、モバイル版のNVIDIAとMediaTekの共同製品が当初はCES辺りには出てくると噂されていたが、結局立ち消えになった。これは、Snapdragon Elite Xが売れていないからだろう。それどころか、Windows 11 24H2のUbisoftを中心としたゲーミング互換性低下がx86市場ですら蝕んでいるため、今売り出しても製造した分のペイすら出来ないとみたからだと思われる。
もし、Windowsで投入するならその問題が解消されていくことは必須だ。それが難しいならば、x86のライセンスを取るか、他のOS向け(BSDやLinux)で投入するかといった判断をするのかもしれない。Androidとの一体化が進む見込みのChromiumOSやUbuntuなどと組んで、25年の夏とかに発表されたりすると、Windows 10ゲームユーザーの一部が流入する可能性もあるだろう。要は、どういう層に対して、どれだけ満足いける製品を出せるかが重要だが、Windows 11の24H2は少なくとも今の段階で、Arm系で新規に出すには危険度が高すぎるとみているのは間違いない。
何より、今は成功しているNVIDIAだがこういうときに新しい事業で1度でも転けると、転がり落ちる可能性が高まることは、NVIDIAも分かっているはずだから……