Arrow Lake-S(Core Ultra 200S)のマイクロコードアップデートでゲームの性能が17.5%アップ…… 上手く行けば……

wccftech.comの記事である。


Intelが1月のBIOSアップデートで今度こそ改善されると主張したらしい。
ただ、今のところ改善されるはずだった0x114でも改善されていないことが報告されているので、Wccftechでは、あまり信用しないように……と釘を刺している。これはIntelにとって由々しき自体であり、深刻な状況である。


一応内容を書いておくと、Intelの主張では、Cyberpunkで最大26%、アサシンクリードミラージュで7%……とパフォーマンス向上が確認されたというスライドを公開したそうだ。公開したことが後悔にならなければよいのだが……。正直、当初から書かなかったが思っていたことを言えば、問題として上げている状態に対して数字が高くないか?と私は思うのである。

何かRaptor Lakeのように最終的に上がる上がると言い続けて実際には思った程上がらずに、むしろ墓穴を掘るという流れに陥っていくような気配がある。さほど上がらないなら上がらないで良いから、相応の価格に抑えて売るとかした方が、評価は上がるだろうに……。TSMCに委託しているからそれも難しくて、苦労しているのも分かるが、信頼を失ったら終わりだというのが、Raptor Lakeの問題からも学べず……より不味くなっている気もしてくる。

ちなみに、コメント欄も辛辣なのだが、面白いのは過去に(ファームアップデートなどで)低下した性能が戻って来ますよと書いている人とかがいることだろう。


そもそも、元々このIntelのファーム対応については、日本の記事書きですら本当に出来るのかを疑問視する声があったほどだ。Arrow Lake-SはAMDのZen5と違って、管理者モード(AdministratorのAdministrator権限ユーザー)では性能が高かったといった話がなかったので、ファームで何とか出来る内容とは思えなかったからだ。

そして、これ製品化がキャンセルされたMeteor Lake-Sと思われる過去のサンプルでもベンチが振るわなかったと噂されているそれに傾向が酷似していたことも関係している。(あれはデスクトップとしてみるとクロックが上げられなかったのも影響してキャンセルされたらしい)

そう考えると、ベースダイがMeteor Lakeとほぼ同じでクロックアップされた製品程度であろうことから、根本的にこの世代においては改善が困難であると考えられる訳だ。

だから、それをIntelも認めた上で、アプリケーションソフト毎にGPUのようなチューニングが出来るかを確認しているぐらいの発表をした方が、評価されたと思うのだが……Raptor Lakeがそうであったように、無理な時間稼ぎをしているように見えてしまうのである。


何故そう見えるのかというと、これは性能の向上率をあまりに高くしていることにも起因している。キャッシュレイテンシー絡みの問題が発端で26%も性能が下がっていたということを示している訳で……合成アプリに至っては97%(約2倍)って、普通に考えるとその発表を胸を張ってしている方が、問題だろう。普通に考えるとこれで製品化したならリコールしたりされたりしてもおかしくない品質の悪さだったことになり、これが結果的に信用度を下げている部分もあるだろう。

それでも、上がるなら良いのだが……これでもし性能が上がらなかったらどうなるか……いや、この通りに上がるとしたらそれはそれでやはりレイテンシーとかそういうレベルの話で済ませてはいけないだろう。この極端に上がることも結局のことろ信用面でプラスになっていないように感じる。