IntelのFalcon Shores GPUは最大1500Wで空冷は”出来ない”(計画外)…… 性能が伸びないIntelは爆熱で世界一を目指すのか!?
wccftech.comの記事である。
最初の1行目にpower-hungry beast(電力喰らいの猛獣)と書かれているのが、狂気染みていることを示している。まあ、サーバーだから電力をさらに喰らってもいけるはずだと思っているのだろう。NVIDIAは、電力量が欠点だとずっと言われてきたので、GBの次であるVera Rubinで電力を下げる方向で開発しているという噂が出ているが……。
Falcon ShoresはXe Graphicsとx86の組み合わせで投入する予定だったPonte Vecchioの後継をキャンセルし、GPGPU+アクセラレータコア(行列演算向けのユニット/Gaudi)の構成として開発中の大規模サーバー用GPGPUである。これの消費電力がSKUパッケージ単体で定格最大1500Wになるという報告である。(他のバージョンもあると予想される)
ちなみに、NVIDIAのGB200シリーズ(Blackwell)は最大700、1000、1200Wである。AMDのinstinct MI300Xは750/760Wである。
重要なのは、Gaudi3で利用される予定のFalcon Shoresでは当初から空気冷却(空冷ファンを使った冷却装置)を除外して開発していたらしいという話なのだ。もちろん、記事ではこれはあくまで最上位の構成の話なので、空冷も選択可能な構成がないとは言えないとしているが……。値段が安くても、結局熱量が増えると建物(サーバー室)全体での冷却に掛かるコストは増える。もちろん、液冷は空冷より効率がよいので、ユニットとしての排気効率は良いが、最終的に熱は外に捨てないといけない訳で、それら全体のコストを考えると……どうなんだろうなという話になる。
まあ、今のIntelはCPUのCoreプロセッサーと同じで製造ノードがTSMCに追いつかない中で、ライバルと戦うのにとにかくクロックを極限まで上げるしか戦う術がないのだろう。その結果、性能ナンバーワンは無理でも爆熱だけはNo1というタイトルホルダーになりつつあるのかもしれない。
しかし、AIが成長産業なのは分かるがこの消費電力が膨大に増えていくプロセッサーやサーバーのTDPやSDPの枠を本当に規制しないと、気候変動を止めるとかいう口先目標を達成出来ないどころか、今でも加速している気候変動がもっともっと加速するだろう。気候変動を分析するのに大電力のAIやサーバーを使うとか……本当にそれが深刻だと思って研究している人がやることじゃないだろう。