26年前に行方不明の男性、近所で発見 「魔法掛けられ」助け呼べず…… 現地の記事と違いすぎない!?

AFPBBの記事である。


これを読むと干し草の山の中に潜っていて、魔法を掛けられたんですと精神を病んで頭がおかしくなった本人が言ったように見えるが、これだと、ちょっとどころか恐ろしく意味不明なので、現地の記事を探して調べて見ることにした。

見つかった記事は現地Algeria(アルジェリア)の新聞社echoroukonlineである。これを見る限り、1996年(16歳の時)に失踪したと書かれている。ただ、いとこの医者が26年して見つかったと伝えており、そのあとの記事が1998年4月になっているので、多分98年というのが正しいのだろう。


で、内容としては「民家の干し草の山の中」から見つかったのではなく、(少なくとも周囲が)干し草で覆われ(隠された)穴(石垣で周りを組んだ縦穴)の中から見つかったそうだ。実際に見つかった時と思われる映像があるので、上記ハイパーリンク(青地の最初の方)のリンクから閲覧すれば映像は見られる。体育座りか何かで人1人が入れるぐらいの穴に被害者と思われる人が座っている。

魔法を掛けられたのかは知らないが、発見当時被害者は、ショックで喋る事が出来なかったとしている。即ち、精神的に喋れない状況になるような何かが行われたのだということだ。魔法を掛けたのではなく、喋れないように何らかの虐待か精神的な被害(苦痛)を与えたのだろうと思われる。だから助けが呼べる状態になかったという訳だ。

ちなみに、この記事には飼い犬が、失踪した後、その家(監禁されていた家)の付近で殺されていたというのも書かれている。


まあ、PVを取るにはこのタイトルと内容は良いのだろうけど……内容も含めて状態が全く思い浮かばないのは流石にいただけない。

ただ、AFPの日本語記事と同じものは他の国(例えばインドのNDTVの転載はこちら)でも←のNDTV以外にもいくつか、同じ内容でAFPからの記事として転載されているようなので、日本語の翻訳が失敗した訳では無さそうだ。AFPが入手したか、またはAFPの記者が書いた記事の伝達や確認に何か齟齬があったのかもしれないが……おかしいなと思ったら国内の通信社であろうが海外だろうが、調べる事が大事である。
問題は、言語の異なる一次ソースまでたどり着けるかどうかである。

英語圏でなければなかなかソースを見つけるのは難しいのである。