ゴキブリが原因で火災発生…… ゴキブリが原因ではないよね。ゴキブリは冤罪だよね。
FNNの記事である。
Yahooトレンドサーチでランキングに上がっていた記事である。ごきぶりが原因というので、ゴキブリが何らかの理由でコンセントなどに影響を与えて短絡(ショート)したのかと思ったら、全然違った。
単純にお馬鹿な家主が、可燃性の殺虫剤が充満したゴキブリの入った袋を燃やして火事になっただけであり、ゴキブリが火事の主因ではない。
ちなみに、噴霧ジェット型の殺虫剤やスプレー剤の噴射用高圧噴射に使われているのは、たいていの場合LPガスである。LPガス(LPG)というのは、プロパンガスのことだ。だから、火を近づければ燃えるし、充満していると大爆発を起こす。さらに、殺虫剤なら水性殺虫剤でなければ、成分の混合安定剤に灯油系燃料(kerosene)が使われているため、スプレーしてスプレーの溶剤が触れたものも火を近づけると燃え上がる。
だから、火気厳禁の記載が殺虫剤にはある。そして、殺虫剤の大半は灯油成分だから殺虫剤を噴霧して定着した場所に火を近づけると火が簡単には消えなくなる。だから、他でも火遊びはしてはいけないが、殺虫剤をかけた場所にすぐに火を近づけるとかするのは絶対に避けるべきである。
一応書いておくと、ヘアスプレーなどのスプレー剤の場合は、灯油系の成分が使われることはない。その代わり、皮膚に使う製品では無水エタノール(アルコール)が配合されているケースが多い。そして、噴射剤のLPGは含まれるため、可燃性である。
だから、どのようなスプレー缶に火を近づけてはいけないし、スプレー缶を大量に噴射した部屋で換気せずに火を使ってはいけないのだ。また、スプレー缶を火の側や、真夏に直射日光が長時間当たり室温が大きく上がる場所(自動車のダッシュボードなど)、暖房器具の吹き出し口の側に放置してもいけない。ちなみに、夏場駐車中の車内での自動車火災原因の一つにスプレー缶や、スマホまたはその他のリチウムイオンバッテリー製品がなることも最近は結構あるので、これからの季節は気を付けて欲しい。
しかし、最初にも書いたが、ゴキブリが原因でってのはどうなんだろう?これはゴキブリのせいではなく、殺虫剤の使い方を家主が誤ったことが原因だ。ゴキブリを退治しようとして火災が発生ならまだしも、ゴキブリが原因でというのは、100歩譲っても記事の内容とは一致していない。
日本では義務教育で可燃物(物が燃える仕組み)についての教育を小学校でも中学校でも受けるはずだし、その部分を考慮しても、可燃性ガスを含むスプレー缶には火気や高温に対する警告や注意が必ず書かれているはずだ。外国人や幼い子どもならともかく、日本語が読めれば、ゴキブリのせいではなく個人の責任になる中で、記事のタイトルをゴキブリが原因とするのはちょっとどうなんだろう。それとも、小さな子どもがやったのかな?
尚、ゴキブリが苦手な人は、ゴキブリが家に入る進入口をとにかく全て探して塞ぐことが大事である。後は、ごきぶりホイホイとかホウ酸だんごを陰になる隙間に忍ばせれば、歩いているゴキブリを見ることは減るだろう。小さな子どもがいると、ホイホイとかホウ酸だんごとかは設置が難しいけどね。
確実に殺すことが前提なら、ゴキジェットPROなどのゴキブリ専用の殺虫剤を常備しておくことである。まあ、昔は本当に秒速だったけど、最近は秒速ノックダウンも……難しいことがあるけどね。殺虫剤が強くなれば虫も強くなるのである。