ガザ攻撃で初の国連治安機関職員死亡 …… 1人死亡、1人負傷

フランス24の記事である。


47NEWSでもトップ記事になっている。

記事によるとラファの病院に向かう途中で攻撃を受けたようだ。死亡したのはヨルダン人で国連安全保障局の職員だった。さらに1名が負傷しているという。

なぜUN車輌が狙われたのかは、以前F24の記事で紹介したが、イスラエル軍はAIを使った標的システムで優先攻撃対象を選んでいるからであろうと考えられる。怪しいと思われる動きがあれば、全て攻撃の対象になっているのだろう。ただ、現状ではハマスの幹部や戦闘員は殆ど攻撃活動には参加していないと考えられる。

一方で、活動するのは攻撃を受けるはずがないと思っている民間団体や平和維持活動をしている国連機関の職員である。結果として怪しいものは全て攻撃されるようになったのだろうと思われる。

ちなみに、まだ米国でこの手の記事はでてないが、CBSの5月12日記事ではイスラエル軍の元陸軍情報長官に対するインタビュー記事が掲載されている。それを読む限りでは、米国がイスラエルに対する抑えとして機能するかというと無理だろう。イスラエルの政権が変わらない限りは難しいと思われる。

米国も大統領選挙が近い中で、トランプ氏の裁判とバイデン氏の支持率低迷という2つの問題が同居している。もし、トランプ氏が裁判を抜けて、大統領選で勝利すれば、トランプ氏はイスラエル寄りなのでそっちつき、ウクライナは終わらせるだろう。その代わり、米国の民主的な政治秩序という点では崩れると思われる。逆にバイデン政権のままなら、どちらもより長引くのは間違いない。

しかし、ウクライナとロシアの戦争もそうだが、これはある意味で国家元首から見て時間軸のどこに力点があるか、何が発端だと思うかで戦争の大義が変わっていることを示している。それは、人々の支持という点でも同じである。要は、被害者になった人の発信量が多ければそれが強く支持される訳だ。それを元に国家元首を批判するから、自分達を追い込んだ最初はそっちだろという感覚が強ければ、戦争は終わらなくなる。そこに周りがずっと燃料(武器)を供給し続ければ、国土は疲弊し、双方の民衆が苦しむ。

戦争などの武器を使った争い侵略は始める側、受けてより強く反撃する側、いわゆる戦線に出ずに戦争を決める為政者には意味があるのかも知れないが、それに巻き込まれる側にとっては一時的に仲間や国土を取られるから、戦おうという人が多く出てくるだろうが……結果的に、より不幸な世界を広げるだけなのだろう。そこに双方の為政者が気が付かない限り終わらない訳だ。

まあ、蛮勇が叫ばれる時代ではない今の戦争では、為政者は前に立って戦争をするわけじゃないし……結局終わらないのである。だから、少なくとも民主国家の体系を持っている国は争いを焚き付けたり、争いを呼び寄せる人を為政者にしてはならないのである。