日銀が利上げなら「かなり深刻」な景気後退=元IMFエコノミスト…… タイトルはこれでいいのかね?
ロイター通信の記事である。
ちょっとタイトルが極端なだけだろう。
現状は、まだゼロ金利状態だから、次の利上げでやっと0.25以上の完全プラス金利に入るか、それとも0.15ぐらいでゼロを維持するかぐらいの領域だと思われる。ちなみに、今無担保コール金利は、0.1以下で動いている。
これが0.25を超えれば、本当の意味でプラス時代の始まりになるわけだ。逆言えば、0.1~0.2の範囲なら深刻な景気後退を引き起こす可能性は低いだろう。これでも、今の金利の2倍~3倍なので、大きいと言えば大きいが、マイナス金利解除の後なら、この範囲を想定して動くのは当然になるからだ。これで耐えられないような企業は今でもカツカツなはずなので、今のままの企業経営政策なら早晩尽きていくはずだ。ついでにいえば、深刻な景気後退がこれで起きるほどに、日本の内需や円買いの価値があるのか?というのも重要だ。
小さな利上げでは、円買い効果は今のところ薄いと考えられる。
内需押し下げの効果も低いだろう。もともと現状で内需が弱いので、それが上がる可能性もなければ、今の状況から見ると食費や生活必需品のコスト増が家計を逼迫させているので、下がる可能性も殆どない。即ち、エンゲル係数が上がっているから、生活破綻で貧乏になる人が増えるか増えないかだけの話に陥っている訳だ。それは、逆に考えると既に嗜好品をなるべく買わない状況で生活している訳だ。だから、多少悪くなったところで、これ以上は大きく支出が下がらないことを意味している。
これ以上下がるとしたら、大きく(想定以上の大きさで)何らかの制度変更を掛けた時だけである。
結果を言えば外国人のインバウンド効果がどれだけ下がるか?と輸入品のコストが多少でも下がるかというのの相関関係だけが重要になる。その関係性は上記した想定域の範囲内なら、それほど大きくは出ないだろうから、結果的にインバウンドだけの影響になると思われ、それと外需に支えられるわけだ。
むしろ、この国にとって利上げで癌になるのは、景気後退入りよりも国の債務償還に掛かるコストの増加と、それを全く考慮せずにばらまき歳費だけが増えていく政治家や官僚の失策にある。ここが何らかの施策によって改善しないと、外需頼みの日本で、内需が戻る事はなく、金利のある本当の世界を享受するのも難しいだろう。
タイトルでは利上げならかなり深刻な後退としているが、実際に大事なのは「経済的に行き詰まっている」というのが、利上げしようが、今を維持しようが行き詰まっていることを意味しており、その状態で過度に利上げを進めようとしたり、その逆の施策をやろうと(これは今の状況では存在し得ないから含まれていない)すると、今の経済的、社会的な破綻をギリギリ回避している状況において、その均衡が崩れて信用を失うぞという見方になる。
即ち、利上げできる手立てを持っていても既に小さいぞという話だ。
だから、円安状況を改善する手立てが日本の中央銀行ないんだということを示している訳だ。
まあ、円相場という点で言えば、ゴールデンウィークと、夏休み、冬休み、春休みなどのシーズンは、日本から海外に渡航することで、円が他国の通貨に対して少し弱くなることがあるのは昔からの特徴だ。特にゴールデンウィークは日本独特の長期休暇になるので、海外市場は開いていて、日本は閉まっていることから投機の動きが出やすい。それを狙って為替トレードの投機をかけるひとも結構いるものだ。問題はそれらを過ぎた後に、円相場がどうなるかである。強い円になることは考えにくいが、海外の中央銀行の施策が変更にならない限りは、日本の円買いが進む環境にはならないだろう。
今回は総裁の発言が甘かったので、それを狙われたのもあるのだろうが、日銀が出来ることは殆どないから、本来は政府の政策がしっかりする必要があるのだが……それが本来ならすべき方向とは逆に動いているから、利上げ処かどん詰まりが近づいているのだろう。

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