Intelの第13世代/14世代 K/KF/KS Coreの安定性に関するIntelの声明……責任はマザーボードメーカーにある。
TechPowerUpの記事である。
これは、Unreal Engine(UE)を使うゲームの一部が正常に動かなくなる問題に対するIntelの暫定回答となるものの漏洩(正規発表ではない)のようで、IntelがOEM向けに準備した声明がリークしたものということらしい。
ちなみに、今のところまだ根本原因は不明であるという前置きがあるようだ。
簡単に言えば、一部のマザーボードメーカーが提供するUEFI/BIOSの設定において、定格電力範囲(純正電圧曲線)を逸脱する設定になっているので、それがCPUにダメージをあたえている可能性が高いという話である。だから、Intelの推奨値で使うように是正することを求めるというものだ。今の段階でも、更新されるBIOSアップデートで供給されているCPU電力のパラはIntelの供給するベースラインプロファイルとは異なり逸脱していることがあるようだ。だから、それをIntelの推奨設定に置き換えるように求めていくということで解消を目指すようだ。
尚、これが公式に発表されるのは、2024年5月になる見込みである。
実際問題を言えば、これで幕引きしてIntelの上位デスクトップCPUが売れるようになるとは行かないだろう。
何せ、元々Intelは純正電圧曲線についてこれまでそれほど明言してこなかったから、BIOSメーカーはオリジナルで設定を作ってきたという背景もある。逆に言えば、これに合わせて設定が変更されると性能は落ちる可能性が高いということになる。実際に、MSIなどで既にBIOS更新が始まっているが、あれらで数パーセントの性能低下が見られるケースもあるようだ。
結果、Intel側から見れば、デスクトップハイエンドパフォーマンスCPUへの影響はかなり甚大になると考えられる。即ち、Arrow Lake登場を急ぐしかない訳だ。しかし、少なくともデスクトップに関しては、そのArrow Lakeも今影響の調査をしているところと思われる。Lunar Lakeの情報は頻繁に出てくるのに、Arrow Lakeの情報が少ないのは、もしかすると、この原因調査の結果が必要だからなのかもしれない。結局のところ、Arrow Lakeも主力はArrow Lake-Sであり、このSにはK/KF/KSに相当するオーバークロック対象品があるからだ。そして、このRaptor Lakeクラッシュ問題が無ければ、Intelはマザーメーカーに自由な設定を認めていただろうし、その自由な設定の中でより良い性能をIntelも指標として引っ張り込んだ可能性はある。だからこそ、ある程度Raptor Lakeのこの問題は、調査結果が欲しいという可能性がある。また、今回のマザーボードに向けた影響としたのは、問題が長引くと次の世代にも影響が広がる恐れがあったからだろう。
まあ、日本では大手紙のサイトがあまりこの情報を扱っていないので、知らない人も多いだろうし、影響はそれほど出ていないかもしれない。(最も、日本は円安の影響の方が大きいので、AMDも含めて以前ほどの販売数量がないだろうし……)
とにかく今使っている人で、Raptor Lake/及び同RefreshのK、KS、KFのいずれかのプロセッサーを使っている場合、BIOSの更新が出ていないか確認すること。オーバークロックモードを定格の域に抑えることやC-StateやP-State管理に関する電流電圧調整機能を無効にしたりしないように厳守することが大事だ。
まあ、オーバークロックモードは無くても性能はある程度高いので、KやKS、KFじゃない製品を選ぶのも手である。オーバークロックが必要ならAMDのRyzenを選択した方がよいだろう。

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