ガザ南部病院に50人超の遺体 拷問の痕も…… その後約200体の遺体に……米国の傘の下にある脅威。

AFPBBの記事が元だったが、現在最新の情報はF24(フランス24)の下の記事になる。


フランス24の記事によると既に遺体の数は200を超えているようだ。F24の記事には映像も含まれている。
これは民兵組織の発表なので、事実じゃないという人もいるだろうが拷問があったかどうかはともかく、戦争の攻撃で亡くなった人を、イスラエル軍が埋めたのは間違いないだろう。表に放置しておくと、衛生環境に影響を与えるためだ。戦争ではしばしば起きる話であり、侵略した側が離れた後に、それが分かる事はよくあることだ。

即ち、事実であることは間違いない。後は、拷問があったのかどうかである。まあ、ハマス関係者と見なしていたなら、イスラエル軍が拷問した可能性は十分にある。戦争や紛争では、倫理とかそういうものが失われるからだ。極度の緊張のはけ口が、敵への憎悪へと向かうことで、吐き出される。もう我々日本人は歴史でしか知らない事だが、日本でも79年前に実際に鬼畜米英と称して、戦争捕虜に対してやっていたことである。集団の感情として自らの命などが関わってくると、人の倫理の中での正義感は、邪悪にも塗り変わることがあるのだ。

それは、戦争に限らず、友人との付き合い方などでも同じである。要は、集団の心理で楽しいこと、辛いこと、悲しいことなどに染まったとき、そのはけ口として生じる行動は、元がいくら冷静沈着で変な事、悪いことはするはずがない人柄でも、全体の心理に流される傾向にあるということであり、それが正しいと思いこむようになるのだ。

これが集団心理の怖さであり、人類が集団で時に困難を乗り越える原動力を生み出したり、時に残虐に行動してきた理由でもある。


ちなみに、以下はFox NewsとNBC Newsの記事だが米国では反イスラエル(政府)の学生運動が急激に増えているようだ。イエール大学では親パレスチナの活動家が逮捕される事態になったようだ。ユダヤ系の学生や人々が恐怖しているという話も出はじめている。いわゆるヘイトクライムが始まっているということだ。

これも、いわゆる集団心理による行動だ。

しかし、米国は今年の大統領選がなかなか危険な状況だ。バイデン氏の支持は若者を中心に得られない状況に落ちてきているし、一方でトランプ氏は、裁判関連で関係者に圧力を掛けていたという報道がなされ始めており、民主国家のリーダーとして見ると論外だと思う人も多く、裁判で有罪となる可能性も高い。そして、こちらも若者の支持は低い。だけど、選挙では彼らが候補者に選ばれるという状況に陥っている。

即ち、ちょうど10年ぐらい前の日本のように、若者が政治的関心を持っていたとして、彼ら以外を望んで投票しても年寄りと支援組織の団体を中心に、岩盤支持が爺さん二人を支えるという酷い状況が起きている訳だ。この先政治への無関心が若者を中心に生まれる時がくるかどうかも、重要だ。日本みたいに報道が忖度するような状況にはないので、大丈夫とは思うが……。

尚、この4年を見ると、欧州も結構辛い状況になっている。米国との政治的関係性に対して、上手く立ち回れるように距離を保ちたいところなのだろうが、ロシアとの関係悪化や中国との関係をバイデン政権によって切り取られたので、どうすべきかにかなり苦慮しているようだ。米国が経済面でほぼ一人勝ち状態だ。それにウクライナと中東の火種も大きくなり、欧州はこの4年でいろいろ失っている。
トランプの方が、分かり易いので本音では良かったと今では思っているかも知れない。

お気楽なのは日本政府ぐらいである。一番、米国の割を食っているのは日本だが……国民はもう楽処か、苦しか残らない状況というのも、少なくとも総理大臣は気が付いちゃいないだろう。報道機関も、大事なことはニュースにしないしね。総理が米国に行って議会演説しただけで、支持率上がるのだから、一体どういう情報を流したらそうなるのかね?多分テレビのワイドショー型の情報番組が上手く伝えたのだろう。

合意されている原文(日本語も英語もあるよ)を読めば、相対的に見れば日本にとってプラスよりマイナスの方が多いのにね。


世の中において正しさとは何なのか?それは集団の中で感情的に選ばれた正しさなのか?強権を発動することなのか?高齢の首脳がこうすると決めたらそれが正しいのか?はたまた、同盟関係にあれば常に正しいと認めるのか?悪いことをしていると批難して過激な行動をして逮捕されるのは正しいのか?拷問を受けた遺体があったことは正しい(事実な)のか?

一つだけ確かなことがあるとすれば、争っている当事者のどちらにも正義はない。いやだからといって間違っている訳でもないかもしれない。要は、ボタンの掛け違いだ。最初はちょっとした冗談が喧嘩になることはあるものだ。お前が最初に叩いたとか、お前が馬鹿にしたという話から始まる訳だ。それが、ボタンの掛け違いである。些細なことでもエスカレートして犠牲が出れば、次はより強い力で反撃したくなる。

叩いたら、叩き返す。叩かれたら殴る。殴られたら蹴飛ばす。最後は殺し合いになる。それが争いだ。
本当ならそれが起きないようにするのが、政治である。口で会話による話し合い(交渉)をして、折り合いを付けるのが政治だ。しかし、今はその政治が死んでいる。もっと言えば、今のバイデン政権が口では戦争を嫌っているように見えるが、実際は焚き付けてどちらかに強く支援を表明し、金や武器だけ供給して放置する。だから、争いは終わらないどころか拡大する。それを利用して、同盟を強化する流れだ。ある意味で、トランプの後から機能した上手い手である。


これに乗ってしまうと、外交の中心は米国を中心に回るようになり、結果的に米国が間違っていてもそれに従うしかなくなる。それが今では脅威なのかもしれないと、こういう記事を見ていると思うのだ。若者が、否定的に大統領や大統領候補を思うと言うことは、少なくともこれから何十年も先がある世代から見て今の大統領やその候補は相応しくないことを示している。

だけど、社会がそれを放置しているということは……それは米国はもちろん同盟国などにとっても、そのまま付き従うことは危険な賭かもしれない。まあ、日本なんて、総理がどんなにダメでも、総選挙や内閣解散の流れすら生まれないし、デモ活動の雰囲気ももう無くなっているのだけどね。そうなるように、報道がデモはかっこ悪いみたいな空気を作り上げ、デモがあっても報道しない自由を行使するようになったから、どうにもならない。