売れなくなったVision Pro……関心急落し需要急減。

Wccftech.comの記事である。


これは、お値段も高いし日本では販売してないなど販売も限られているので、売れないのも仕方ないところではあるが、ソフトウェア開発や新しい物好きで買った人が今も使っているかは分からない。少なくとも北半球に関して言えば、夏に向かって行くこの季節にこの手のヘッドマウントデバイスの売れ行きは下がるからだ。

これは、ヘッドバンドで固定するヘッドホンなどでも見られる傾向で、夏場はエアコンを効かせていても汗が出やすくなる。これは、平時の気温が高いと汗腺が開くようになることと、室温だけではなく、屋外から壁などが暖められ、それが遠赤外線の輻射熱として、部屋の中に入ってくるからだ。だから、気温が適温でも冬よりも熱く感じるわけだ。

そうすると、汗が増える。汗が増えるとこういう製品は蒸れる。臭くなる。だから使いたくなくなるわけだ。

少なくともVision Proは現時点で使えるアプリケーションも少ない上にお高いため、関心が上がるようなことは暫くないだろう。次の世代が1/5~1/7ぐらいの値段になれば変わってくるかも知れないが、それでも誰もが欲しいとは思わないだろう。スマートフォンのような必須に成り得るデバイスではないからだ。

あれば楽しい、あれば便利ということはあっても、これらの部分も明確に目的や目標といったものがなければ、成り立たない。スマートフォンは電話と情報端末を組み合わせ、それに決済やコンテンツなどあらゆるものを合わせる物が出来、そして常に持ち歩いて使うという可搬性を上手く融合したから成功したが、HMDはそういうものからはほど遠いのだ。

だから、普及は難しいわけだ。それに価格の高さやコンテンツの充足の問題なども合わさると……大衆である程度普及させることすら今のところ難しい。まあ、コストダウンが今後どこまで出来るかによっては、Macerによってある程度広がりはするだろうが、初動も弱めだったので、厳しいだろう。

スマホなどの需要も低下傾向にあり、以前のようにApple freak(オタク)が単純に提灯記事の熱狂につられる状況にもない。もし、これで成功させるつもりなら、ただ完成度や価格といったものではなく、Appleにしか出来ない何かが求められるだろう。