Snapdragon 8s Gen 3に次いで7+ Gen 3登場…… じぇんじぇん分からなくなる世代仕様。
TechPowerUpの記事である。その下は、Qualcommの7+ Gen3の公式サイトである。
最近、Snapdragon 8s Gen 3が登場してなんじゃありゃと思ったが、そのあと今度はその下になる7+ Gen3が加わることになった。
8sと8の差は8Kエンコードとデコード関連の差と、GPU、CPU性能が Gen 2以上Gen3未満になったことである。但し、8Kエンコードやデコードと、5G及びLTEの商用無線速度は8Gen 2の方が対応し、8sは非対応である。即ち、8 Gen 2に比べて8s Gen 3は性能では上、ビジュアル性能では一部下回り7系の仕様と共通になっている訳だ。
じゃあ、今回の7+ Gen 3はというと、これはGen 3より全体の性能アップを図った製品だ。7 Gen3に対する+に見えるが、CPUの仕様にCortex X4のPrimeコアが使われており、Snapdragon 8 Gen 3から派生されていることが分かる。8との差はレイトレーシングに対応しないこと。商用無線の速度が4Gbpsクラスと5Gbps以上より遅いこと。ハードウェアAV1サポートがないことだろう。
即ち、8sの弟妹になる訳だ。では、何故これで+なのかというと、単純に8と名前を合わせたかったとかそんな理由か、または8 Gen 3が想像以上に(コストが高くて)売れていないし、爆熱で使い勝手が悪いのでダブついている最新のKryo 9系のチップレット(Cortex X4、A720、A520の組み合わせのCPU)を低クロックで償却する方向に動いているのかもしれない。
今、Androidに限らずスマホ市場の成長はマイナスの状況が世界的に続いている。物価が高すぎてこういう製品の購入が控えられているためだ。今年もハイエンドスマホに関してはそれほど成長しないだろうと見られる。これは、実はPC市場なども同様で、全体としての数量は増えても、上位は高すぎて手が出せない状況になり始めているのだ。
ここには半導体歩留まりの悪さも関係している。要は、性能の条件を満たすだけの半導体の取れ高が減っているのだ。そのため、先端半導体の製造に掛かる価格が大幅に上がっているのだ。それでなるべく売れるものを供給するには価格を抑えることと、上位として使うには不良品扱いの製品を、下位製品として売り出すしかない。それが今のような状況を生み出している。
そして、それが結果的に簡単にしたはずの世代命名規則を再び壊すことになっているのだろう。