ネタが無くなるとネタ生成が大変、釣りようにタイトルを書いて明言はしない……生成AIがこれを見習うと人は覚えが悪くなりそうだ。

tomshardware.comの記事である。


NVIDIAのGPGPU Blackwellとそのコンシューマ製品群であるGeforce RTX 50シリーズについてのメモリ構成についての話だ。
大した内容の記事ではない基本的には、過去の情報のおさらいみたいなものにメモリーバスを拡大した製品が出るかどうかの話が書かれているわけだ。

これタイトルには512bitのメモリーバスに関する内容が書かれているように見えるが、中にその言及はないといういわゆる釣り記事に一見見えるのが面白い。

ただ読めば分かるが、最後のPerhaps more importantly,(凡そ大事なことは)で始まる部分の項目でまるで謎解きのように示している部分が、512bもあるかもと示しているのだろう。

ちなみに、VRAMの容量が24GBや36GBで、且つGDDRメモリーの容量が1チップ辺り4GB@64b(it)または8GB@64bならバス幅は384b以上になることはない。何故なら、4×6ch(64bitが6本)で384bであるからだ。これが、32GBや64GBまたは変則の3または6GBのメモリチップを使うなら、8×64bになるので512bも有り得るということになる。それを有り得るかも知れない事として示した訳だ。これをもって512bも最上位ならあるかもしれないと512bを記事には一切出さずに示している訳だ。即ち、極めて確率は低いという話であり、一方でもし実現されればこれでこのように示したとすれば、当たっていたという説明にもなる訳だ。いわゆる可能性暗示をしてもしもがあればという予防伏線だ。あの時示したぞと言える訳だ。

質の悪い政治家や営業の売り文句みたいである。


コンピュータ関連に限ったことでは無いが、ネタが少ない時期というのはある。それはイベント閑散期や新製品発表会が少ない時期である。日本でも釣り記事は毎日のようにネット記事では現れているが、近年はハイテク業界の記事もネタ不足である。それだけコンピュータだけのネタというのが無くなってきているのだろう。何せコンピュータのネタで新しいのは今ではGPGPU関連のネタが中心であり、CPUネタやOSネタ、スマホネタなどは、減少し続けている。

さらに、頼みのGPUも登場までのサイクルが伸びてきているから、間のネタ集めに苦労しているのだろう。そこで閑散期にはこういう記事が生成されるようになるが、生成AIはこういうのを勉強して、何となく真実味がありそうな話を描くようになるとしたら、生成AIが描く言葉から本質を読み取るのも大変になりそうだ。

実際この記事も、読み手がこの内容からタイトルに書かれたことを示す一文を見つけられるかは……読み手の能力次第だが、コメント欄を読むと、既にこの明示を読み取れていない人もいるのだから……。