LINE投資詐欺被害が急増 著名人かたり、巧妙手口 …… SNSで投資セミナーをしてから投資を呼びかける時点で詐欺です。
共同通信47NEWSの記事である。
タイトルに書いたとおりである。そもそも、一般的な資産形成のための個人投資は金融機関を介して行われるものである。
だから、SNSのセミナーなどを介して、この口座にというのは真っ当な投資会社ならまずあり得ないのだ。
ここまでの2行で、全て完結する。本当はそれをまず書いてから、知りたい人は手口を知れば良い。上が皆に伝わっていて騙されなくなれば、こういう手口は消えるし、それで真っ当なサービスをしようとしていた会社も、それじゃダメなんだと分かるだろうから、その方が大事なんだけど……
もしも、そこから入り込むような真っ当なサービスを私はしているという会社があるなら、そういうやり方で勧誘しないことだ。
投資詐欺と見分けが付かなくなるからだ。信用度が低すぎるので、信用度の高い安定顧客は付きにくい上に、素人が増えやすいので、収益性が下がったときに、トラブルが起きやすいだろう。そもそも、まともな会社なら、SNSで売りこむようなことはしないだろうと思うが……。
というか日本はどこの新聞社も通信社もテレビ局もそうだが、これ見分けるテクも何もなく、頭の時点で、殆どが犯罪に関わる物だと書けばよいのだ。中には良い物があるからと思っているのだろうが、そもそもまともな業者は、公式SNS以外での広告(キャンペーン)などを除いて募ったりしないのだから、著名人とかもないわけだ。それを、全てのメディアで最初から流せばこの手の詐欺に騙される人は、すぐに激減するだろう。
では、何故こういうSNS型はあり得ないのかというと、
それは、いわゆる信用出来ると自分が思った友人に金を預けたり、貸して利子を含めて返済して貰うとかそういう個人間の信用によるやりとりと同等のものであり、よほど関係性が強い親戚や兄弟とかでも、よほど信用度がなければ難しいことという本来なら「常識」の部分に合致しているからだ。
しかし、騙される人が後を絶たないのは、何故かインターネット=信用出来るとか、SNSなら信用出来るというお馬鹿さんが増えたからである。まあ、それを育てているのが学校教育や社会教育なんだけどね。
元々、ネット上にあるのは全て信用出来る情報じゃない。今は皆がネット=信用出来ると思い込んでいる傾向があるのだが、ネットの成り立ちは日本で言えば、パソコン通信であるNifty ServeやPC-VANなどの掲示板の世界的な置き換えから始まったものであり、それに、個人のホームページなどが生まれ、それで情報発信能力が格段伸びてビジネスになると分かった企業が便利な情報ツールや販促ツールとして乗り込んだものに過ぎない。
元々は信じられる情報ではなく、信用出来るかも知れない情報がある場所だったのだ。それを信じるかどうかは、読んだ人が判断することであった。しかし、今は若者も大人も皆がネットで検索すれば答えがあると思っている。何故そうなったか?Wikipediaが出来たから、企業が信頼出来るサービスを始めたから?
そうじゃない。それ(ネットで調べれば答えがあるということ)を学校教育や企業教育などに取り入れているから……
安易に信じる時代になったのである。そして、老若男女問わずに騙されるのである。
以前私は以下の記事を書いた。
この2つは違った内容に見えるが、実は同じ要素を孕んでいる。それは、
1.信用するに足りる(ようみ見える)情報-直に接触するデータ
2.信頼出来る情報元ー企業や有名なWebサイト
3.本当に信用出来る情報-真実、本当に適切な意味合い
の3つは同じように見えて違うということだ。そして、ネット上にはその3つが混在しているのだ。
これはインターネット誕生の頃はもちろんだが、インターネットの前にあったPC-VANやNIFTYなどのパソコン通信時代の掲示板でもある程度はあったことだ。まあ、今ほど通信に掛かるコストが安くないので、今ほどフェイクと言われるものが多い訳じゃなかったが、認識の相違も含めてある程度はあった。
だから、1の信用するに足りる情報を自分が見つけたと思ったとしても、3に到達するまでにはネットだけでは本来ならならないのだ。では、何をもって2と3を示すのかというと、本当ならネット以外の情報を駆使して集めることが望ましいが、ネットで完結させるなら、2の信頼出来る情報元をいくつか確認して、補完することが求められる。私のBlogで書いている記事のソースは噂物と大手の新聞社や通信社の記事が多いので、明らかに嘘みたいなのは少ないが……私が書いている記事の中には、間違いも誤認識も結構ある。それをそのまま鵜呑みにして良いかは、各々で考えねばならない。
ネットとはそういう情報の集まりでもある訳だ。大手サイトだって間違えていること、認識の相違なんてのはしばしばある。Wikipediaだってしれっと内容が書き換わっているなんてよくあることだ。これらはあくまで、間違いだが……これが詐欺やフェイク、チェリーピッキングに使われる事もしばしばある。
それがWebビジネスにおける詐欺というビジネスにも繋がっている。そもそも、不労所得で大量に利益を上げることなど出来ないのだから……日経平均が4万超えて、去年日経255指数連動に投資した2000万円が20億になっている訳じゃない。地価が去年の2倍になる地域があって、その土地を持っていたとしても、その土地を昨年買って今年売却したところで、利益は2倍にならないからね。何故って、土地取引の手数料は仲介業者を介せばあるし、土地取引に関わる(譲渡所得税)も発生する。そもそも、地価2倍の土地が簡単に売れるとは限らない。いくら、評価額としての基準地価などが上がっても、買い手がいなければ、お金にはならないのだ。
それは、株式や債券などのポートフォリオだろうが、企業や事業の買収だろうが、土地や家などの不動産だろうが、自動車の売買だろうが全てに言えることだ。これ、騙される人だと読んでも理解出来ないだろう。
ちなみに、有名人の顔写真が出ていれば信用出来る、音声があるから信用出来るとか、絶対にない。元々、そんなものはないのだ。
これは、知名度という広告塔と、信用や効果(商品の性質や価値)は別物という先に示した3つの情報信用の在り方と同じだ。あれを情報から、サービスと物品に変えて、2番目のところを信頼出来る企業や広告塔とすればよい。例えば、体にとってもよく認知症に効果がある○○配合のサプリメントを、有名芸能人のxxさんがCM紹介しました。さてそれは認知症に本当に効果があるのでしょうか?
有名人が言っているから嘘は無い効果があるはずだと思う人も多いだろうが、そもそも、その有名芸能人はCMにCM出演料を貰って出演しているあくまで広告塔でしかない。さらに認知症に効果があると示した情報も、発症を予防する効果なのか、それとも発症した病気の進行を抑えるものか、そもそも認知(症)ではなく認知機能に対して優位性があるかもしれないものか……場合によっては効果なしと後から、消費者庁が発表することになるかもしれないものかは分からない。
これはいわゆるその人の知名度を使った広告塔という効果であり、商品が信頼出来ることを証明する効果ではないのだ。もちろん、それなりに有名な人なら、その広告内容を精査して選んでいると考えるのが自然だが、だからといって広告=全面的に信用出来るわけではないのだ。
騙されやすい人は、それ事態に興味は殆どないのに、世間のブームみたいなのに反応し、焦り投資などの単純な言葉だけに強く反応してしまう傾向がある。その時に、こういう広告塔や検索上位などから安易に選ぶ傾向が見られる。
ネットにおける有名人広告を無断で使用した詐欺の場合は
有名人の顔写真は、その人の顔写真をネットで検索したり、雑誌やテレビ映像などからキャプチャリングして背景などを加工すればどうにでもなる。今や下手すればLLM(AI)を使って動いている映像さえも作れるかもしれない。
音声は、日本でVocaloidが一般商品として開発されてから大きく進化した。これも、動画などを元にLLMで声紋分析を掛けて抑揚を調整すれば、後は文字列入力に合わせてでも、日本で言えば名探偵コナンの蝶ネクタイ型変声機のようにリアルタイムに喋った声を誰かの声色に変換する方法でも違和感は最小限にして対応出来る。
前者の場合は、若干抑揚に機械っぽさが出てくる。認知能力や聴覚が下がってくる高齢者だったり、こういう技術に興味がない人だと、こういう機械合成音声との違和感を感じ取れない場合もあるが……。まあ、日本でも有名なテレビの普通のニュース番組や情報番組でも音声合成による読み上げを結構多くの曲で使い始めている。抑揚が僅かにおかしい上に、読み上げの速度が一定なので、言われれば何となく分かる人もいるだろうが、言われてもそれが合成音声だと信じない人も今の技術だと多いだろう。
最後に重要な事を書くと……
騙される人は時間を掛けてしっかりいろいろなことを調べて
「知ろうとしない」か
「知る能力が欠如し始めている人」とそれから
「立場や時間、孤立しているなど何らかの負い目がある人」
の3点のうち上位2つのどちらかと3つ目が合致している人に出やすい傾向があるとされる。
だから、MCIなど認知症手前の状況の人や認知症が始まっている人、精神的、肉体的に疲労が溜まっている人、不眠、寝不足などの人など考えることが難しい状況の人と、自分が苦手なことに対して、短時間での解決を求められ、落ち着いて誰かに相談できる環境がない人が騙されやすい。
知ろうとしない、知る能力が欠如しているというのは、端的に言えば認識が追いつかないか興味がないということだ。
それに対して、3つ目はこの指止まれという子どもの遊びで仲間を集める方法「早くしないと電気が切れる」と急かすと……遊びたい子が集まってくる。そこにあなたの立場が危ういとか思わせると効果的だ。もう一つは、何か新しいことをしなきゃなど焦って自分から嵌まっていくパターンもある。投資絡みはそれだ。NISAが好調みたいな報道を見て、やらなきゃと思う人がいるのだ。経済ニュースとか以前から見ている私からすりゃ、民放などがあれほどやって、煽るのはこういう犯罪に騙される人を増やすか、後々後悔する人が増えるだけだと思うが……
まあ、親が高齢だったりしてお金を持っていたりするなら、タンス預金や貯金をそういう変な投資に振り向けていないか、子は確認しておくことだろう。それから、中高年にしても若者にしても、投資はちゃんと金融機関の口座(証券会社の証券口座、銀行の銀行口座)などを介して行うことだ。相手がSNSで指定した口座じゃなく、ちゃんと自分でその会社があることを確認し、その会社が真っ当な日本にある証券会社や銀行などの金融機関であることを確認し、その会社のホームページURLが正しいことを確認した上で口座を作ることである。
分からないなら、ネットでやらず手数料などは大きくなっても、証券会社などに行って相談した方がよい。
ちなみに、投資で元本の何十倍も短期間で稼げるとしたら証拠金取引ぐらいである。この場合は、元本となる証拠金をBET(賭け金に)してそれにレバレッジを掛けることで、より大きなお金を動かして投資する手法だ。この方法の場合はレバレッジ倍率に対して大負けすると、証拠金不足となり損失補填を求められるので、いつのまにかギャンブル感覚になって投資資金を全部溶かすお馬鹿さんもいる。即ち、元本が消えることもあるのだ。そういう点では、何倍になるとか何十倍になるはノーリスクでは存在しない。
もっと言えば、今の日本の株高状態で投資をしても、短期ではさほど実績は望めないだろう。
下手すればこれから高値のものは下がっていく可能性もある。よい不労所得を望むなら、株価は低いが業績の将来見通しが良い企業を探すことだ。