「Windows Subsystem for Android」のサポートが2025年3月5日で終了…… Windows11の目玉も結局ポロリと取れた。
窓の杜の記事である。
当初から言われていたことだ。ここでも書いたことがある。これは長く持たないだろうと。
AndroidサポートなんてWindowsユーザーが求めちゃいないからだ。
Amazonと組んでスタートしたのも失敗だったのだろう。一時期はCortanaの代わりにAlexaで連携していたが、今、そのAmazonとはChatGPTを使うcopilotとAlexaで競合しており、既に関係を続けられる状況にもないことからも明らかである。そして、Androidのサービス利用も広がらず、さらに言えばマ社側の統合対応も中途半端な開発で当初から使っているユーザー期待に添えていなかった。
だから、終わらせることにしたと考えるとこの決断は遅い方だろう。
サービスインを中途半端にしてしまったから、抜け出せなかったというのが本音かも知れない。
ちなみに、マ社がこれから力を入れるのはcopilotとWindowsのArm対応だろう。この2つを安定させるには、一部の仮想環境用の自社コンテナサブシステムの開発その者が邪魔になっている可能性は高い。どういうことか?別に他社や他のディストリビューターがHyper-V向けにx86版のOSを供給するならマ社には関係ないが、マ社がそれを開発するならArm版はArm版で、x86版はx86版でサポート出来るコアシステムを開発しなければいけない。それにはコード設計が出来る人材が必要であり、コストが掛かる。
これまでは、x86が出来ればArmは後回しでも良かっただろうが、マイクロソフトがArm版に今後力を入れていくなら今後は両方がほぼ同時に同じレベルでシステムの安定性を持つ必要があるわけで、それが担保出来ない上に、利用者が少ない、さらに開発コストが今よりも高くなる可能性があるなら、続ける理由は無くなると言うわけだ。
そもそも、Subsystem for Androidは最初こそWindows11の目玉にするつもりで発表したが、正規で標準化(最初からプリインストールして動作する状態にしたものとして供給)されることは最後までなく、正規に格上げまでは出来たがインストールオプション止まりだった。これは、最後まで開発レベルが上がらなかったことを意味している。一方で、Android側も最初に発表した当初とは仕様が異なる。
Windows 11の目玉として発表した当時Android の最新版は11であり、提携したAmazon版のFireOSベースのAndroidは7~9(ABI32)だった。そして、今最新版のAndroidは14でABIは原則64bit対応じゃないと認証を通らない。Amazonはまだその要件を必要としないが、正規のAndroidとAmazonとの差、さらに当初のAndroidが持っていた要件と今のAndroid 14で完全推奨される能力の要件が、解離して厳しくなる中で、Windows 11で今Androidアプリを使っているユーザーが満足して使い続けられるようにx86やSnapdragon(Arm)でエミュレーションし続けるのが困難になっているというのもあるかもしれない。
Androidは毎年バージョンが上がる上に、hotifxもバージョン毎にPlayによるモジュラー型の部分も増えているが、基本的にWindowsと違ってOTAでOS全体に対して更新を行うので、Windowsの様々なハードウェアがある中で、安定して動く環境を供給し続けるための投資は、見た目に反して膨大になったはずだ。
それに、開発を続けている中で気が付いたのか、それとも最初から気が付いていたが、きっと利用者が喜んでくれてAmazon向けアプリの開発が進むはずと思ったのか知らないが、今になってAmazonとの関係も続けられないし、今ではAI(copilot)という武器がマ社にはあるし、いいやとなったのだろう。
ここで離れたリソースはAI開発と次のOSアップデートに向くか、リストラでコストを減らすのか分からないが、Windows 11のシェアは当初のマ社が期待したほど伸びていないこともあり、そちらの評価が伸ばせるように投資を進めるつもりだろう。