Wikipediaの情報源としてCNETが格下げに……米国のはなしだけど、そういえば日本版も最近読まない。

tomshardware.comの記事である。


CNET(サービス名称の元はComputer Networkの略称である)と言えば結構古くからあるネット情報サイトである。日本では朝日インタラクティブが運営しているが、本家の英語サイトはRed Ventures(20年10月末頃にViacom CBSから買収)が親会社として運営しており、ほぼレビュー専門のサイトとなっており、AI記事を22年から導入している。

これは、Wikipedia の本家での話のようだが、このAI記事が理由でWikipediaの英語版では23年1月(AI記事の開始は22年11月)から情報ソースとしての信憑性の評価を下げはじめていた。理由は、生成AIを使ってコンテンツの一部が制作されているなかで、その事実を一部隠蔽していたと見なされたこと。さらに、一部のAI情報に瑕疵や流用(AI転用編集)があると見なされたこと、広告記事が多くスパムネットワークの一部になっていることなどが上げられるようだ。

まあ、日本版もたいがいで朝日インタラクティブになってから、質が下がり、米国版の記事が死んだ今、政府の広報(デジタル庁や総務省の広報みたいな記事)と本家の酷いレビューの劣化版(編集版)と、それに企業の広告みたいなサイトになっており、質の良い記事はない。久々に見たけれど、さらに劣化していたよ。一体なにをテーマにした情報サイトなのだろうか?マスク氏の日本消えて亡くなる発言とか、記事にして、それが上位だし……記事として出している情報のセンスがバラバラだし。


結局のところ運営親会社がどういう意図でそのサービスサイトを買収したかが記事の中身に影響を与えているという点と、生成とか推論AIに処理させるとWeb上にある様々な情報を融合して学習し、そこから「っぽい」ものを引っ張り出すので、結果的に真相ではなく、「ぽい」止まりであることが英語圏でのWikiにおけるルールに抵触して外されているというのが理由だ。しかも、他から学習するAIという特性が既に、スパムやボットと変わらないという扱いになる訳だ。

最も、レビュー中心になってしまった今の米CNETを見ると、Wikiで使えるほどの内容もないし、CBS時代以前の情報など移行できなかった知財ライセンスに関わるものは、消されているようだし、使いたいと思うWikiの記事書きも減っているから、外そうがはずさまいがあまり関係ないのかも知れない。CNET運営会社側はこれを批難しているようだが……そもそもCBS時代と今とで質が全然違う。

日本版もそれに伴って米国発の記事が劣化し、それを補うために日本語版のジャンルがはっきりしない記事が増えていった。
尚、日本版のWikiはその要件には入っていない?のかなと思うが、それは米本家とは違って結構前から朝日インタラクティブが運営していたことと、日本版のWikiは執筆者が少ないこと、Impress WatchやITmediaなどのサービスの方が以前から強いので、CNET Japanを使う事が元々ないからという理由だろう。


まあ今の時代、コンピュータ関連やネット関連の記事も昔ほど多くはない。昔なら、春夏秋冬と年に4回はコンピュータのモデルチェンジがあり、それに合わせるように周辺機器も更新されていた。だから、年中記事があったし、年中新しいソフトウェアや通信技術などの発表があった。今では、それも年に1回~2回である。ソフトウェアなんて新しい物が出ることは殆どなく、今たまたま生成AIや推論用のAIの利用に関する記事が流れているが、それらも昔ほど読む人が多いわけじゃない。

自分で絵を書けるなら、絵を生成するAIを多用したりはしないしね。絵を描きたいけど描けない人が生成AIを使ったからといって指示だけで狙った絵になる訳じゃないから、結局そこでも根気との戦いがあり、使い熟すのは簡単じゃないことに気が付いて使わなくなる人も多い。

そういう部分があるから、昔の圧倒的に様々な用途でソフトウェアやハードウェアが生まれていた時代のように技術記事が沢山出てきて読まれる時代じゃない。だから、そういう記事を生み出すセンスが弱いサイトはだんだんと廃れていくのである。まあ、時事ニュースとしての価値が十分にある情報を流さず、流したい情報だけを流す日本の大衆紙やテレビ局より、少なくとも日本の専門サイトは頑張っているから、ある程度生き残れるのだろうが……海外だと、報道機関も少なくとも優先はリアルタイムの時事ニュースになる程度に機能しているから(日本は朝から夜まで同じニュースをやる。下手すると週末の土日月の夕方まで同じネタを引っ張るから、週末は速報以外のニュースを見なくてもOKである)、生成AIや広告の在り方には世間も厳しいのかもしれない。