千葉・さいたまで震度4、津波の心配なし 千葉東方沖で地震続く …… この数日で有感は十数回。

朝日新聞デジタルの記事である。


SNSや一部の掲示板などではスロースリップ地震だと書いている人もいるが、気象庁は今のところ今回の一連の地震について明確な見解を示していないので、スロースリップなのか、プレスリップなのかそれ以外かは分からない。スリップ地震は深さで示すものではなく、ひずみ計や地震波、GPSなどのデータを元に判断するものなので、群発しているからスローだと断定しない方がよい。

というより、用語や用語による傾向に囚われると、思わぬ落とし穴に嵌まることもあるので、少なくとも災害に関わる地学(地震、津波、噴火など)で用語を多用するのは避けた方が良い。この分野は、今のところまだ科学領域としての解明が定かではなく(地下深い場所なのでセンサーの設置もできないし圧力を推定できても、岩盤の荷重負荷と分散構造を明確に把握できていない)、神(偶然と確率という運)の領域だからである。それを示してきたのが、この30年ほどの日本の地震、噴火、津波である。だから、各々で備えなさいと行政も専門家も口を酸っぱくして声を上げているわけだ。

尚、千葉東方沖やその周辺での一連の地震による最大マグニチュードは今のところ今朝の5.1である。昨日は4.9があったので、これを前震の群発地震の基準点とした場合、ここから生じる可能性がある最大マグニチュードは単発であれば6.5~7.3ぐらいだろう。誘発性連動地震が2つや3つなら時間が長くなり、規模がさらに大きくなる。

5.1の起きた陸地にほど近い場所でこれが起きた場合の最大震度は6強~7となる。即ち、石川県能登地方とほぼ同等の地震が単発で起きる可能性があるわけで、茨城県沖などとの連動地震ならそれを超えることもある。

ちなみに、これはただ恐怖を煽るための記事ではない。

あくまで、地震に対する備えが不十分な人の準備をして欲しいからこそ書いている。
大地震など、恐れていようがいまいが、起きる時は起きるし、起きる起きるといっても起きない時には起きないのだ。ただ、何度も余震や群発地震があるときは、準備や点検をするチャンスとして最適なのだ。それで起きれば、備えあって良かった、準備して良かったと思うだろう。来なくても、安心のために備えたのだからマイナスではない。余震を心配しつつもまたは心配せずに大きな地震が来れば、あの時やっておけばと思っても後の祭りである。後悔先に立たずということだ。だから、起きるかもしれない不安だとか恐怖を感じるぐらいなら、その時間を備えに使えと言うことであり、そのためにはある程度不安があって当然でもあるのだ。


その準備でいち早くすべきことは、自分の住まいが、地震津波避難区域かどうかの確認と、家具の固定などであり(地震の本震から生き残るための対策)、次が安全な避難路の確認である。次が食料などのストックである。

間違っても食料をストックしているから大丈夫とか思うなよ。それは、生き残った後に考えることであり、食料を棚などにストックしたはよいが、その食料の沢山入った棚に押しつぶされて亡くなったなんて、冗談でも笑えないし、ネタにも出来ないような結果にならないように、ちゃんと準備をして欲しい。これは、タワーマンションで免震構造でも大きな地震では長周期振動による揺れで高層階ほど船のように強く長く揺れることがあるので、家具、家電(テレビなどがラックなどから落ちる事もあるので注意)などはしっかり固定することを強く推奨する。

そういうのをやっておくと、津波などでの被害がなければ、家具の破損なども減り、家具が倒れないことで例え住宅が崩れたとしても、その家具が支えになって体を守ってくれることもあるかもしれない。