QualcommのNPUは素晴らしい。Intelの10倍だと発表…… 現時点で必要性は低いけど。
tomshardware.comの記事である。
QualcommのSnapdragon X EliteのHexagon NPU/DSPにおけるStable DiffusionやGIMPでのAI画像生成の性能比較がYoutubeに上がっているそうだ。
比較対象はIntelのCore Ultra 7-155Hでそれより10倍性能が高いと示している。記事中には、Stable DiffusionがQualcommに最適化した専用版なのに注意が必要としているが、最大10倍高速であると示したそうだ。まあ、Stableとかしっかり使う人はきっとNPUよりもGPUを使うだろうから、現時点でこれに大きなメリットがあるとは思えないが、モバイル環境でそれなりに速度が出ることは将来的にメリットと示したいのだろう。
ただ、スマホを見てもそうだが、LLMなどの機械学習が凄い=ハードを買うぞ、買い換えるぞという人はあまり多くない。仕事として必要で使うならともかく、趣味でそうそう使うものでもないだろうし。それなら、絵や写真を自分で書いたり作ったりする勉強をしたほうがよい。特にそれが好きなひとなら、コンピュータにはやらせないだろう。出来ない人がやるという一面はあるが、LLMではイメージ通りに描いてくれるまでにかなり根気が必要になることも多い訳で……バックグラウンドで補助するとか、情報収集として機能することの方が本質になり、ユーザー側から見て表側でユーザーが選んで常時使う時代が来るかというと、微妙だ。
結局こっそりひっそりリソースを喰って動いていて、普段はメーカー側のシステム開発などのための情報収集に使われ、呼ばれたら時々動く今のスマホに搭載されている機能と同じようなものになるだろう。そういう点では、やはりGPUやCPUほどの必要性はない。あまり使わないなら、正直日頃はOSの機能を停止出来るようにしてくれればGPUやCPUの命令セットで十分であるとも言える。
だが、そういう方法を取らないのは、ハードなどを売りたいが為である。Windows 11もそのためのバックグラウンド環境を今後強めていくようだし……嫌でも、これがないと動作性能が下がる時代が来る訳だ。それが嫌と思う人は、LinuxやBSD(Unix)などの環境への移動も始めているようだ。
しかし、コンピュータ技術、ソフトウェア技術もここまで来て、エネルギや資源の投資(コスト)の割に合う物なのか考えると、だんだんコストの割から外れ始めているように見えるが……それをやらないと、追い越されるとかふるい落とされる恐怖と、その産業が今は一番稼いでいるという点から、投資が集まっているのでこれが本当に良かったのかどうか分かるのは、これらの成果が見えてくる10年ぐらい先なのだろう。