AMD の次々世代コンシューマCPUにはRDNA5が統合されるはず……たぶん……開発名:Medusa(メデューサ)

VideoCardz.comの記事である。


まだZen5も出ていないのにというのは当該記事の頭にも書かれている。だから、噂止まりである。そもそも、Zen5と組み合わされるiGPUはRDNA3.5とされており、RDNA4にはならなかったことも考えると、Zen6+RDNA5かどうかは分からない。そもそも、RDNA5という名称でGPUが開発されているのかすら不明だ。XboxやPS6の開発候補情報には上がってきているが、GPUも機械学習(LLM)の方向に進んでおり、AMDはその点で専用の回路がなくシェーダーで代用している現実があり、それ故にNaviのままで進むのかも分からない。

どこかでリブランドを図りそうな気もする。

それはともかく、このZen6は2.5 Interconnect(2.5D積層技術)が使われる。これは、現在のチップレットパッケージ内でさらに細かく分割し、それらをより高度に最適化したプロセスノードで製造するための技術と、このチップレットの接合部にTSV(貫通ビア)を使って立体構築するというものだ。これによって、回路間でのリンクが最小に抑えられて速度が向上する効果が期待出来る。以下URLは、PC Watchの2.5Dと3Dの概念図である。

だから、記事中では帯域幅が向上すると書かれているが、帯域幅が直接的に上がるとは限らず、基本的にはレイテンシや同期で問題となりやすい回路間ジッターの削減に効果を与える。その結果として、帯域幅を少ない電力で広げる効果も期待出来る。

尚、これが登場する予定は今のところ未定である。記事中では2025~26年頃、2nm~3nmの混在で登場するだろうとしているが、AMDの開発計画の通りなら、2025年の登場は、良くて11月以降になるだろう。まあ、ゲームコンソール向けなどで前倒しすることがなければ、26年辺りになると思われるが……どちらかと言えば、GPUが問題だ。25年だとRDNAの開発が間に合わない気がする。

GPUは世代交代で性能の向上を示すには、CPUよりもダイに詰め込むトランジスタ数が増える傾向にあり、帯域幅を広げる必要もあり、さらにシェーダー回路が多いので、その連動性試験や安定性(電力、性能の安定性)を支えるドライバーの調整にかなり時間を要する。しかも、今ではCPUよりもそういう調整に掛かる手間が増えているはずだ。だから、RDNA5をもし使うなら、25年ではなく26年以降になるだろうと私は予想している。

もちろん、25年に出す可能性もあるが、RDNA3のGPUで出ていた不安定の原因になる恐れもあるので、あまりに登場が早いならすぐに手を出さずに、暫く人柱を待ってから検討することが求められるだろう。

どちらにしても、まだ先のはなしである。とはいえ、1年とか2年なら思ったよりすぐやってくる期間だ。来年の今頃には少しぐらい姿が見えるかもしれない。