GDP10─12月期は2四半期連続マイナス、年率0.4%減 内需低迷 …… 回復のチャンスを政府政策で失った2023年。
ロイター通信の記事である。
こうなることは、昨年前半の時点で既に出ていたことである。岸田政権が少なくとも食品とエネルギーに対する税の見直しを図らなかった時点で……。報道機関でも専門家も、食料品(嗜好品や外食を除く)に対する軽減税率などを行えば多少は違うとしていたし、それだけで政治の将来に対する期待感もそこそこは醸造されたからだ。これは、インボイス制度なども逆効果になっている可能性がある。まあ、もう今更な話だが……。
では、何故これが大きいと思われるのかというと、単純だ。
日本における物価高での苦しさの8割は、食料品の値上がりによって生じているからだ。しかも、現在進行形で食料品の値上がりは続いている。報道などでは一部下がっているとか、お値打ち品を出して頑張っているというのが時々出ているが、全体で見ると下がっちゃいない。
むしろ、調味料など必需品程あがり続けている。それを、一部の商品を店側が月替わりや週替わりなどで、客引きの道具として安く見せているだけで実際に安くなっているわけではない。それどころか、海外では既に食料については価格の上昇が一服し始めている中で、日本は今もまだ上がり続けているから、厳しいのだ。多分、値上がりは今後も主に冷凍食品や加工品を中心に続くだろう。このGDPを見ると、日銀の緩和解除もすぐにはしないという流れになり、為替の円安からの離脱は少なくとも4月まで無さそうだし……。
もう、金融緩和から抜け出すチャンスが本格的に消えつつあるのかもしれない。
<既に内需は景気後退>
この状況は、日本じゃなければリセッション(景気後退)という言葉になるだろう。日本は外需が好調だとか何とかでこの言葉はまず使わないだろうが……。そもそも、冬物の衣料品だけでこれほど下がることはない。では、何がGDPの内需を押し下げたのか?
以下を読み解くと分かるだろう。
ここでは、暖冬の影響で衣料品や暖房器具が売れていないというのが書かれているが、その一方で、売上げとしての店での販売金額はずっと伸び続けていることが分かる。普通に考えるとこの状況で、GDPにおける内需が弱いように見えないはずだ。しかし、これこそが問題なのだ。
この経産省のデータは以下の基準に基づいて出ているもので、個人や小規模な小売業は含まれない。また、卸売業などの中間販売に関わるお金の動きは分からない。あくまで、最終的に顧客に販売する事業で一定の地域・全国規模を持つ事業者を対象としている。
問題は、このデータで見ると金額は衣料品や暖房器具を除いて成長していると言うことだ。特に3ヶ月連続で食料と自動車の寄与度が高くしかも、上昇し続けてきた。これ、買っている量が増えたのか、それとも物価が上がって買う量を減らしても、高くなったのか?という視点は金額ベースなので分からないが、概ね後者と思われる。要は、物価が上がっているから、食料品や自動車の買い換えにかかるコストが上がり、それらにお金が回った結果、他が必要不可欠でなければ減らされたと考えられる。
では、これがもしも暖冬じゃなければ衣料品や暖房器具に回ったのかというと、多分さほど回らなかっただろうと、私は思っている。理由は、そこに回す金銭の余裕が減っているからだ。今あるものが壊れでもしない限り、無理に買い換える必要はないし、衣料品も最近はリユース衣料などを買う人が増えているからだ。その一方で最も買い換えサイクルが早く、劣化も早い子どもの人口は減っているから、衣料品が大きく伸びる可能性は低い。もっと言えば、子どもの生活必需品や玩具なども急激に値上がりしたことで……結構、子育て世帯ほど節約に邁進しているケースが多い。
そうなると何が起きるかというと、関連する製品の生産量が減ってしまいGDPを大きく下げてしまうという流れになる。
日本のこの手の景気説明では、いつも思うのだが、気候を理由として景況感の悪化を説明するのは間違いのもとである。そもそも、気候が悪かろうが良かろうが、景気が上向くシーズンなら、気候と関係ない分野に金が回るはずだからだ。しかし、気候が理由で下がる場合は、気候をアテにしないと景気が伸びないぐらい内需が弱かったということの裏返しになるのだ。
今回の場合は、多少は暖冬の影響もあるかもしれないが、実際は食品価格など必需品の価格が想像以上に上がっていることによって、その他の商品やサービスの購買意欲を劇的なペースで減退させ始めていると見るべきだが、そうしないのは分析力がないか、上記した税の問題を蒸し返したくないのだろう。
今年1-3月も内需が落ちるようなら、本当に日本の金融緩和解除と利上げは夢か幻になるかもしれない。
その場合、円は今の円安水準を維持出来るのだろうか……160円とかに抜けないよね……抜けたら、本格的に食品価格などにさらなる値上げが入り、拙いことになりそうだ。本当は、もう緩和を止めて欲しいのだが。

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