RX 6400 が11年前のフラッグシップであるNVIDIAのGeforce GTX TITANに勝利する…… GK110-400-A1 Keplerも年には勝てず。

tomshardware.comの記事である。


11年経ってのベンチマークをGeforceGTX TITANで行ったという記事だ。結果、RX6400にも勝利出来なかったという内容である。
まあ、当然と言えば当然だ。何故ならKeplerはDirectX11(DXFL11_0)世代のGPUであり、Shader Modelも事実上5.1止まりだからだ。そのあとに登場したMaxwell(GeforceGTX 700 Series)がNintendo Switchのお陰で長いサポートを得ているのとは裏腹に結構早めに切れたこと、さらにこの頃は、TSMCやSamsungの半導体プロセスノードやリソグラフィーの進化が猛烈で、このTITANもまだTDP/TGPが200Wしかなく、TSMCの28nmで製造されていたころの製品だ。

あれから、DirectX12への対応、レイトレーシングやDLSSへの対応、VRAMはこのクラスだと今では24GBに達しているなど、大きく変わったのだから当然である。
ちなみに、11年前のこれと現在のRTX 4090のスペック差を示すと次のようになる。

GPU_TITAN_4090.png

性能としての衰えはFP64の物理性能が下がっていることぐらいだろう。これはCUDAで求められる演算が粒度の粗いFP16や8方向に向いていると判断して、そちらに舵を切ったからだ。そのお陰で、前世代のマイニングブームや今流行のAIで凄いというのを示すことに繋がった。

ただ、最上位としてみれば段違いに機能も性能も上がっているのだが、懸念するべき点もある。それは、価格が1.6倍に上がったことと、TDPが1.8倍に上がっていることだ。前者についてはダイサイズは極端に大型化していないのだが、561平方ミリ⇒609平方ミリと凄く大きくなった訳ではないのだが、部品点数は増えているし、製造に掛かるコストも上がったこと。さらに、高くても引き合いが強く売れるので価格が下がらないこともあって……お高いのである。後者については、微細化しても電力を抑えられるものではなくなったこと、性能を上げるためにクロックを無理してあげてきたことが影響している。

AD102-300-A1でも800MHz台で動作させるなら、250Wを下回るだろう。その代わり、動作性能は1/3以下になるが……

後は、ここに記載がないものの差として、元のtomshardware.comの記事でも書かれているし、先にも少し触れたが、対応しているAPIの差は大きい。RX 6400に後れを取ってしまうのは、RTコアがないこともそうなのだが、それよりもDirectX12の基本セットをハードウェアサポートしておらず、ソフトウェア対応であることが大きい。ちなみに、Keplerまでは動画のエンコードデコードエンジンもPureVideoの名称が使われていた時代であり、後に名称が変わったNVDEC、NVENCの時代ではない。ハードウェアでエンコード出来るのはH.264までであり、H.265のエンコードエンジンは搭載していない。デコードのみ対応している。CUDAの世代も3.x(3.5)である。

尚、この製品群におけるNVIDIAの標準サポート(機能追加などを伴う定期的な更新)は完了済みである。緊急対応の脆弱性があれば、供給される場合がある程度のサポートである。

このぐらい世代の差があるわけだから、RX6400に標準で劣るのは当たり前と言える。
逆に、オーバークロックすれば、一部のゲームで今でも競えるぐらいの性能という点が凄さなのかもしれない。


ちなみに、今後の性能進化やAPIの拡張はこれまでの11年ほどはないと考えられる。だから、4090なら11年後でももしかしたら、廉価なGPUを上回る可能性はあるだろう。ただ、今より11年前のTITAN GPUの国内での小売価格(13万円台)を考えると、今その価格に70Ti Superとか、80も掛からない訳で……割に合うかどうかは全く別問題である。というか、今の40系コアの上位は、本当に熱量が多いので、使い倒す人なら10年とか持たない可能性の方が高いだろう。長く使うなら、3050/3060/4060/4060TiぐらいがNVIDIAの製品なら妥当かも知れない。