「セクシー田中さん」問題は、さらに最悪の方向へ …… 散り散りに逃げる当事者と組織、世間はそれで組織に同情するのが「日本」の汚点。
スポーツ報知やスポーツニッポンなどが、脚本家のSNS(Instagram)のお詫び追悼コメントの掲載をし、小学館が編集部(第一コミック局)としてのコメントを上げたようだ。上はスポーツ報知の脚本家のコメントである。下は小学館のリリース文である。
まず、スポーツ報知の脚本家の話だが、まあ、内容としては知らなかったと伝えるしかないということだろう。脚本家の方は、一端はこれで良いと思うのだ。この先同じようなことをやらかすようだともう救いがないが、某首相とかのような鋼なのか、異常なのか分からないメンタルじゃなければ、参っているのは間違いないだろうし。
もうきっと、守ってくれる人も少ないだろうから、このように書くのも怖かっただろう。ただ、それが一人の人が自殺してしまうほど追い込んでしまったという因果でもある。それをしっかり受け止めて、脚本家としての人生が続くのか、もうその業界を去るのか知らないが、この先、自殺された原作者の分も生きて欲しい。出来るなら、いつか、自分が過ちを犯すに至ったと思っている部分について、経緯を世間に伝え、同じことが再び起きないように、啓蒙する側に回る来て欲しいものである。
<問題は……第一コミック局と小学館>
これ、同情的に捉えるかそれとも、全く話にならないと捉えるかは、これを信じられる根拠ある文面と見られるかどうかなのだが……実はたいていの人は、そこを確認せずに、間にある感情に流されるように文面が出来ている。
そこに感情が乗っかると、根拠を確認せずに最後の、寂しいです、先生。までのどこかで、その感情に引っ張られて正当だと思い込む仕掛けに引っかかるだろう。
第一コミック局は寂しいとか悲しいのは直接関係した人なら事実だろうし、この内容も何度も編集の中で検討して書いたのだろうと思うが、小学館としてこれを許したのであれば、会社は逃げているのだと分かる。そもそも、海猿の原作者である佐藤秀峰氏のNoteの記事を読まれたなら誰もが分かることだ。これも小学館から出ている書籍だが、それと同じ事を小学館はやってきたことを示している。
で、この内容を考えると、上の許可を得ずに押し通したのか?それとも、上もこれを通せば小学館は悪くないと見せることが出来ると判断し、内部での調査などをする必要がないと見たのか?その辺りが、分からなくなり、むしろ世間は同情的になると判断した可能性がある。これで、上手く行かないなら、適当に関係者処分でもかけるのかな?
何が言いたいかというと、本来なら問題が本当にあったなら適正な手順と手段が踏まれて、調査され報告対応されるべき部分が、内紛のような内容と感情の乗った事実らしい(っぽい)情報が公式に上がったことで、小学館側の責任は有耶無耶になる可能性もあるのだ。
これ読み解くと、8月31日の紙面やコミックに制作に関わる記述があったものの、出版社内部のスタッフや関係者が、日テレとの意思疎通において、正しく彼女を守る姿勢を示していた証拠にはならないのだ。あくまで、彼女は一人孤軍奮闘していたのであろう証拠であったことは確かだ。だから、最後は亡くなることになったのだろうというだけなのだという見方も出来る。小学館が彼女の側にあった証拠ではないである。日テレの側にいて、担当者はある程度支えていたかもしれないが、根本的には傍観していただけかもしれない。
そこをちゃんと小学館側として調査する必要があるが、これで日テレ側だけに目が向くようだと、小学館側は逃げ切ったとなるだろう。いや、これで日テレが小学館側の営業や映像版権担当とは、こういう形で進めていたとか出てくると、リセットされる可能性もある。
事実はどうやって調べるかというと、羽田の航空機着陸事故でも書いたが、本来なら第三者が関係者全員に聞き込みをして、その客観的事実から、原因のピースを繋げる事で、事実らしいものが繋がっていく。今回の場合は、制作に複数の会社が関わっているはずで、脚本としての関係でも2つから3つ以上の組織を介している。これを事実として繋げるには、その脚本に関係した当事者全員を聞き取りするしかない。今ところそれを立ち上げようという雰囲気がないのは、少なくとも放送局と出版社が合同でそれを立ち上げようという考え方がないからだろう。
これには、金も時間も掛かるからやりたくないというのもあるのは間違いない。
だから、これまで各々で落としどころを探ってきたのだろうと思われる。そして、出版社はここで落とすことにした。次はテレビ局がどうするか?または出版社がもう一段踏み込んだモノを出すかどうかだ。ただ、この流れ真実からは遠ざかり、根本の部分の改善はしたくないんだという空気があるようにも感じる。何と言うか、昔からの日本らしい動きだ。正義の対応ではなく、落としどころを探っているのが見えるからだ。
まあ、どちらにしても共同での第三者調査をしない限り真実に最も近いモノは出てこないだろうし、この流れだと尻尾切りを誰(何)にするかという流れで終わるだろう。ただそれで処分されるひとや事柄があっても、もしかするともっと大元に黒子(原因となる仕組みや人)は脈々と引き継がれ生き残っていくかも知れない。
そういうのが残ればいつかまた違った形で人が追い詰められるだろう。
最後に、日本テレビが出版社より悪く見える部分が多いのは確かだ。
何せ、彼らは報道部門を持っているにも関わらず、これについて印象操作をしようとしたと見られた動きがあったからだ。しかも、これ今回に限らずジャニ問題などでも見られたことだ。それだけにイメージが強くマイナスになっている。よって、この小学館の動きは日テレにとっては不利であることに違いがない。
まあ、投資家などはそれでも利益が出ているなら許してくれるだろうけど。
これ以上続くと、テレビやHuluなどの日テレのサービスを使う見る人の印象が下がる可能性もある。実際に、フジテレビ系はそれが出てNo1から陥落していった。まあ、私にはもうあまり関係ないけどね。