「子ども逃げ惑い犬は興奮」体長130センチの犬に12人次々噛まれ5人搬送…犬は保護 …… 犬の本質は狩猟犬か番犬、猫は害獣駆除を忘れるな。

FNNの記事である。他社の記事でも昨日は速報されたほどである。


飼い主は、逃げるはずなどないと思っていたというのは、このケースでは定番である。

ただ、犬は元々群体で行動する特性があり、縄張り意識と帰属意識が強い生き物なので、主から解放されると何をするかは分からない。犬にも性格と犬種による特性があるので、大人しく従順に動くだけのなつっこい犬もいれば、例えトイプードルのように小さなものでも、臆病故に吠えたり、噛んだりする犬もいる。犬種による飼いやすさなどの差を説明する人もいるが、それは犬の大きさに起因するものが多く、犬種による性格というのは傾向として多少は見られるものも、イメージ通りの性格とは限らないので気を付けねばならないのだ。

ちなみに、犬が逃げ出す原因はいくつかある。多いパターンは、

1つは、日頃から犬が望むほどの散歩や遊びを飼い主がしてくれない場合だ。この場合は、人でもそうだが活発な行動派の犬だと運動が足りない事がストレスになり、外に出たいという欲求が強まることになる。

1つは、飼い主が犬を虐待している場合だ。これは、昭和世代の飼い主に多いパターンだ。とにかく何か飼い主にとって気にくわないことがあると叩いて躾だというケースである。この方法を取ると、犬は自分から見て、目下に見えるものに攻撃的になるし、酷い虐待だと逃げ出すことがある。この手の犬は特に、飼い主がいない場所では牙を剝く。何故なら、飼い主が主であり、他は群体の外にいる敵だからだ。縄張りを守る意味で戦うようになるのだ。その中に、逃げるものを追ってしまう習性もある。


では、噛みつく原因は何かというと、

上記した逃げ出すパターンのストレスに加えて、匂い(強い香水などの匂いを含む)、大きな声、悲鳴(甲高い声は動物だと服従声に近いので襲ってくることがある。子どもは元々声が高いので注意が必要なのだ)などで興奮した場合、それから犬が怪我をしている時など機嫌が悪い時、後は元々人慣れしきっていない中で、縄張りを離れて不安なときや飼い主が見つからず焦っているときにも噛みつくケースがある。

ちなみに、この一番最後のものが最も危険なパターンで、ある特定の人(いつも接するかそれなりに接点がある人)には本当に従順で、普段も穏やかなのだが、それらの人がいないか目を離しているとき、またはそれらの人がいても、相手を見た目で嫌い、怖い、危険、服従させたいと判断したときには噛みつく。

これは、飼い主以外の人を信頼していないことの裏返しであり、ある種の番犬としては機能するが、それ以上にはならない状態に留めている犬になる。室外飼いが多かった昔ならこのタイプの犬が多かったはずで、昭和世代だと犬を叩いて叱るというケースがあるのは、そのためでもある。犬と主人との接点が今より少ないので、人との距離がそれなりにあるのだ。

今回は、これに当て嵌まっていて、且つ逃げているので、自由な時間が少ないなどストレスがあったのだろう。
そして、犬から見れば、子どもを見た時に遊び相手として興奮したか、敵対する相手として良いと見たのか、本能が刺激されたのは間違いない。


まあ、犬はよほど敷地面積が広くなければ、宅内だけでは運動が足りなくなり、散歩が必須なので飼いにくい生き物でもある。特に大型になってくるとその行動範囲や運動量は増えてくるので、気を付けないといけない。何せ元々は、狩猟、牧羊、番犬、軍用などとして人の労働や戦闘、生産性を支える生き物だったのだから、彼らは人並みに行動力があり、自分の縄張りが荒らされると自分より強い者に向かって行く習性を持つものも多い。

こういう被害を恐れるなら、小型な犬種だと被害の危険性は減るだろう。しかし、絶対では無いので、しっかり犬との関係性を育てる必要があると同時に、屋外で放し飼いはしないこと、ハーネスが外れないようにすることである。

尚、猫はそこまでの特性がない。理由は、猫は出産をした直後の母猫をのぞいて、基本的に群れないからである。即ち単独行動が基本なのだ。だから、猫は気まぐれなどという。彼らは端的に言えば、自分や自分が育てている子に危害が加わること、それから狩猟時以外は無関心なのだ。危害を過去に受けていると、人に対してでも引っ搔いたりするが、そういう経験がなければ、機嫌が悪いときを除いて、噛んでも甘噛みぐらいだろうし、猫パンチも爪を出したりしない。それ故に実は、犬より飼いやすい。

室内だけでも、立体的に彼らが動ける場所を用意すれば、そこそこの広さで暮らしてくれるだろう。主人がある程度狩猟本能などに対する相手をしてくれて、餌があるならだが……。

犬と違うのは、飼いやすいが犬ほど従順にはならない。犬は上手くすれば従順になって言うことを聞くが、ネコの場合は元が単独で動く生き物なので、個性の差で多少は人の言葉を知ってそのような行動を取ることを遊びとして覚えるネコもいるが、犬ほどではないのだ。ちなみに、ネコは縄張り争いという本能はあり、母性などは持つので、それを持って育てている相手を守ることがある。ご機嫌ナナメなら決して寄ってこないし、餌などを求める時はこっちがどんなに忙しくても構ってくれと寄ってくるので、短気な人にはネコは向かない。

尚、ネコが人の社会に入り込んでいるのは、その狩猟本能がネズミ、虫、鳥などの小型の害獣・害虫・害鳥を捕まえてくれるからである。これらは、人の食べ物を家の中にはいって荒らすこともあり、さらに病気等を媒介していた歴史もあるので、ネコは重宝されたのだ。今では、チュール様を食べるので、そういうのを捕まえないどころか、怖くて逃げちゃうネコらしからぬ箱入り姫や箱入り王子もいるようだが……。

そして、日本では「お魚咥えたどら猫」でお馴染みだが、ネコの好物はお魚でも鰹節でもなく、元々ネコ科は肉食系雑食動物なので肉類であり、日本では島国故に漁村などでネコを飼うと魚が主な動物性タンパク源だったことから、ネコ=魚になっただけだ。