「セクシー田中さん」問題からひろがり続けるネタ …… 質も低く話が飛躍していくのは日本の性か?人類の性か?

ITmediaの記事である。


これで日本の漫画実写はどんどんと海外に流出するだろうという記事だ。この人の記事は元々薄いのであれだけど、またズレているなという感じだ。う~んどうでしょう。そう簡単には行かないと思うし、これに感化される作家が増えるとは思わないけど……気を付けて欲しいな。

そもそも、海外で制作されたから原作に忠実になるとは限らないし、シナリオが原作に忠実だから、ヒットするわけでもない。ヒットしなければ、結果的に原作者もがっかりすることはあるわけで……原作者から見れば、原作者の意向も汲んだ折衷が出来てみなが楽しんで貰える演出になるなら、きっと喜んで変化も受け入れるだろうという話が本来の筋なんだよ。

忠実が重要なのではないのだ。コンテンツのスタイルに合わせて最適化を一緒に出来て盛り上がる(評価が上がる)ならそれが一番良いというだけだ。

それに海外も日本もない。もちろん、今回の件で日本のドラマや映画に簡単に原作を渡せないという風潮は強まるだろうが、それは行き過ぎた映像化すれば売れるんだから良いだろうという圧力に対する縒り戻しに過ぎないだけで、原作者と制作側の関係が正常に戻るだけのことだ。

<海外だと別の落とし穴があることも>

ちなみに、米国や英国などの国だと本当に契約書通りに動くので、契約書の見落としや認識不足があると、原作者が望んだ通りを口答で求めても、契約書に基づく内容で推移することでトラブルになることもある。即ち、日本のように口答指示などである程度配慮して貰える為には、契約書でそれを明記しておく必要まで場合によってはある訳だ。

海外のコンテンツバイヤーが望むならそうだろうが、そうじゃなければそうそう売れないだろうし、出版社や原作者もなかなか簡単には売らないだろう。言語や習慣の壁もあるので、日本の風習が原作に多く入っており、海外ではそのまま使えないコンテンツも結構あるから、特に今回のように原作継続中の作品の場合は、もし仮にオファーがあっても海外に売り出すのは難しかったかもしれないし……。


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<セクシー田中さんは、
     何故原作者の同意なしの脚本で制作されたのか?
               を紐解かねば分からない日本のメディア問題>


今回のこの問題は、予想するに時間を埋めるコンテンツとして消費するためだけに、原作のタイトルを使ったのだろうと考えられる。そして、原作者サイドは断りたいが断ろうにも期日などを理由に押し切られたのだろう。ではなぜそうなったのか?強引に進んだのは、きっと時間を埋める他のコンテンツ(ドラマ枠として使えるネタ)が準備出来なかったからだと思われる。

これは、いわゆるテレビ放送の時間枠の問題だ。供給するドラマ枠という「枠」が放送局にあり、その枠は今だとたいていは12話から13話で一作品消費する形で、4半期に1度、長くても半期(24~26話)に1度変わるからだ。それが、結果的にコンテンツ不足を生み出しているのだ。

NHKの連ドラ(朝ドラ)なら年2回変わるはずだが、これは1日15分を5~6日で半年なので民放1時間(44~46分)枠で見ると9ヶ月~通年放送に近い長さのボリュームである。これはオリジナルの脚本だ。それで数年前から脚本や構成を準備して貰うはずだ。これは、予算が結構大きいから出来ることである。

日本の民放では年間3~4作品のドラマやアニメなどのコンテンツを消費している。昔は、半年ものも多かったし、年間を通して制作するものもあったのだが、今はスポンサーの都合もあって四半期消費が殆どになった。

その結果、供給枠に対してスポンサーが納得する新しいコンテンツを探すのが難しいという問題が起きているのだと考えると分かり易い。

スポンサーも小粒になり、四半期のうちの一時期(季節)に売れる商品のCMをするためだけのスポンサーが付く形になるので、これが最適な放送になったのだろうが、結果的にそれが今では、コンテンツ制作をする側の首を絞めているのだ。何故って、そもそも売れるコンテンツなんて四半期に4作品も見つける方が難しいからである。

でも、それが放送局の上層部からは求められる。さらに、テレビ関連の雑誌(Webサイト)には遅くても放送4ヶ月前(下手すれば半年とか1年前にというのもある)ぐらいには次の放送予定が上がってくる。そうなると、問題があっても止められない。

結果、今回は破滅的な流れになった訳だ。

今回、プロデューサーや監督などの制作陣営は、脚本家にも作家(原作者)にもいい顔をした可能性が高い。その結果、脚本家は原作者のせいでと怨んだのだろう。一方で原作者はプロデューサーや監督などの制作陣にこうやって欲しいと伝えていたのに、それが伝わっていなかったから、結果的に怨まれた。しかも、脚本家の方が原作者よりも放送業界との繋がりが強かったから、脚本家の声を聞いた人々が、それに加わって悪いのは原作者という雰囲気になってしまったと、見るのが一番自然だろう。

では、プロデューサーや監督は、何故止めなかったかというと、彼らも切羽詰まっていたと考えると分かり易い。彼らは上からの期日の圧力があったとしたら、それどころじゃない。この後には多分次(次の次かも知れないが)のドラマの制作などに移っている可能性もある……となると、こうなっていた現実に気が付かなかったかもしれない。

これが、たまたま日本テレビで起きたのか?それとも、日本テレビが特に問題があって起きたのかは分からないが、この問題はドラマ制作で原作あり期限ありなら海外でも有り得ることだ。これに予算、スポンサーの問題(この原作ならこの四半期スポンサーになると言うケースは凄くある。何せ衣装や物品などで協賛するが故に広告を載せるケースもあるからだ)などがあれば酷似した問題はどこでも起きるだろう。

そういう根元の部分を、クリエーター(原作者や脚本家、プロデューサーや監督などの制作陣営も含む)が理解しておくことは当然だが、それと同時に、それの上に位置する人間が理解を持っているかどうかの方がとても大事だ。要は、制作予算を決める側、いつまでにものを作ってくれという要求をする上人が、こういう折衝に時間が必要なケースがあることを理解しているかというのが大事なのだ。

これが、しっかり分かって、原作者や脚本家の意向を汲んでくれる相手なら、日本人の制作するコンテンツでも、外国人が制作するコンテンツでも、地球人じゃなく宇宙人が制作しようがきっと良い物になるだろう。

しかし、それがなければどこで作ってもこの問題は起きるはずだ。


本来なら、そういう本質的なところから、海外だから良なのか、日本だから悪なのかも語らないといけない。即ち大事なのは、どういう力が働いたと予測されるのか、その働いた力が本当に日本だけの独特な慣習による物なのかが重要だ。実はこういう問題は、予算や時間の制約があると海外でも結構あるんだよ。自殺するケースは多くはないだけで。ただ、日本でこの問題が起きていても、海外でニュースにはなりにくいのと同じで、海外の芸能や出版に関するニュースは日本でも関心がある相手やコンテンツじゃない限りされないから知らないだけだ。

それを、まるで海外で作った方が良いかのように伝えるのは、同類の問題や最悪の場合は、さらに他の問題を誘発する恐れがあることだけは、特に自分が知的財産をもつコンテンツを制作する人なら、忘れてはいけない。


<結局はCMする業者が減ったことが原因なんだよ>

最後に面白いことを書いておくと、実はテレ朝の刑事物などの放送だと、長く放送されているものもある。これは、通年枠で刑事番組などと決めている放送だと、シナリオもずっと脚本家に求めやすく、続けられやすいという部分があるからだ。スポンサーもその放送狙いで付いてくれる。昔は、そういう枠で時代劇、刑事もの、学園やスポ根もの、トレンディードラマ、コメディ系ドラマ、メロドラマ、サスペンスという枠を日替わりで置いているのが放送の基本だった。こうすると、脚本も立てやすいからだ。

しかし、今はそれら別々に付いていたスポンサーがもういなくなった。例えば、お昼には花王がメロドラマ枠に出資していたが、あれは花王の撤退によって廃止された。トレンディードラマだとタバコや自動車、情報家電のCM、若者向けの化粧品やアパレルなどが付いていたが、今このうちでCMをそこそこ流すのは自動車ぐらいだろう。化粧品も、高齢者向けになってきており、アパレルはユニクロすらCMを減らしている。

こうやって消えていく訳だ。

これはアニメーションなども同じだ。長く続くアニメーションには安定した固定スポンサーが付いており、子ども向けなど特定の層に強い人気があるものが多い。ドラえもん、クレヨンしんちゃん、サザエさん、ポケモン、プリキュア、コナンなどがそれだ。これらにはバンダイとか、タカラトミー、大手飲食店、西松屋などの有力スポンサーが付いてくれる。しかし、短いクールの作品は制作委員会方式になるため、作品関連のCMが中心になる。だから、その期間だけの枠買い方式になり、金額が小さいから放送も短くなる。

最近は、予算をテレビ局などが積極的に投じて、長く放送するものも出てきているようだが、それでも通期ではスポンサー確保が難しく、放送局側がちょっと無理をしてヒットさせようと頑張っている場合もある。


だから、結局しょうもないバラエティ番組や店舗などとタイアップした情報番組が沢山増えるわけだ。それなら、脚本や原作を探す必要もないからね。ただ、それをやって来たからスポンサーが減ってきてテレビが地盤沈下してしまったという背景もある。そして、今、NetflixやAmazonなどがそれら面白く無くなったテレビの受け皿となり、利用者が増えることでコンテンツ予算を増やす中で、優れた人間がテレビ業界から引っ張り上げられ、負けてきているわけだ。

それがたまたま、重なっているから外資が日本より良さげに見えるだけかもしれない。
テレビ局がそれらをちゃんと分析して総括して、改善すれば、流れはいつでも変わる可能性が十分あるのだが……そこを少なくとも日本テレビはみていないようだし、そもそも日本人も、評論する人達の論点がだんだんズレてきているので、こういう部分がいつのまにか、日本はもうダメだというような別の方向に変わって行く阿呆な流れを生み出すという悪循環を繰り返している。

それがまた一つ生まれた訳だ。