「客観的事実に反する」吉本興業が抗議 松本人志さん文春報道巡り…… 滑り落ちる話になるか?
産経新聞の昨日の記事である。
これのことの発端は、週刊文春のこの記事が始まりとなる。内容が事実であるなら、今年はジャニー喜多川の性加害もあったことだし、彼自身今後の仕事は厳しくなるだろう。
しかし、これを見て思うのは、ファンというのは悲しい生き物だなということだ。ジャニーズのファンはジャニー喜多川の性加害に関する件を擁護していた人も結構いたが、今回のこれ、ジャニーズの時には、すぐに批判していたのに擁護している人がいる辺りが……人ってのはどこまでも、自分の好きなものになると客観的な判断が難しくなるのだなと思うのである。
まあ、私がそれに近いことを書いたのは昨年の香川照之だったけれど……どちらかというと擁護する方でここで記事を書いたからだ。
別にファンだったわけでもないので、ショックとかなかったけれども。
女性と男性の性的な被害に関する噂や事実というのは、今、芸能界であっても昭和や平成の頃と比べると遥かに世間の目は厳しくなり、しかも、それなりに過去のことでも、許すなという風潮になっている。それは、元々許されていたことがおかしかったのであって、許すのが当たり前だった訳では無い。金で解決出来るとかそういう見方もあったのかもしれないが、それは元々有名人や有力者でなければ通らない話で、一般人がお互いの好意なしにやれば、犯罪だったのだから、当然である。
それが今になって飛び出すのは、MeTooのように被害者が言い出しやすい環境が整ってきたこともあるが、実はそれだけじゃない。芸能人がマルチタレントになり、報道番組や情報番組に出演し、そういう事件や事故などで偉そうな御託を並べるようになったことで、お前が言うかと被害者が思うようになったのもあると思われる。
松本人志の場合は、バラエティ系のワイドショー番組の司会をやっていたため、事実ならその責任を問われる際にそのワイドショーで並べた御託分の責任が上乗せされることになり、厳しい目線が向けられることは避けられない。
私は、~00年台ぐらいまでのダウンタウンが繰り出す笑いは好きだったが、10年台に入ってからはテレビもあまり見なくなり、好きとか嫌いとか思わなくなった。ダウンタウンの二人が一緒になる番組も減っていったので、その影響もあるかもしれないが、テレビを見なくなれば見ないから、そっちの方が大きいだろう。ただ、ダウンタウンの芸としてはコンビ活動が主体の頃でごっつなどで、今田とか東野などとお笑い番組を作っていたころが好きだった。
で、今はどうかというと、最近は二人が出る番組見ていない。ダウンタウンDXとかまだやっているようだが見ていない。考えて見ると、ダウンタウンのイメージはこの文春砲のようなことをやりそうなイメージなので、砲じゃなく事実に近いだろうなと私は思っている。驚きもさほどないのだ。だって、90年台ぐらいまでのダウンタウンのネタとか知っていれば、だよねという感じなのだ。
まあ、それが変化するような仕事をやってきたから、こうなったとも言えるのだろう。
そういえば、昔2014というコントがあって、ダウンタウンの二十年後が売れなくなり、事務所に自分達の芸を売りに行くというネタがあった。もしかすると、それが10年後になって2024がそうなるのか……。私は事実なら事実として、被害者に対応するしかないと考えている。その上で、もう一度再出発するのか、それとも引退するのか?だろう。
事実無根なら裁判なりなんなりでしっかりと証明することである。事実なら認めて真摯に動いた方が結果的には良いだろう。あった事実を曲げることは出来ないのだから。失った信用は戻らないかもしれないが……。そもそも、その信用がこれまでの生き方から見れば、過度だったと考えれば、過ぎた信用が元に戻っただけかも知れない。
そういう初心に戻るのが怖く出来ないとなると、事実なら引退になるかもしれない。
事実ではなくとも、かなり世間の不信を拭うのは難しいだろう。何故なら、高見の仕事が多いと不信を持つ人は、不満を強めるからだ。これが、下の方の人だと、上がパッと切り捨ててしまうので、「それでも僕はやっていない」みたいになるけれど、ある程度上になると、誤解であったり冤罪であったとしても、世間にそういう目を向けられていることを理由に、自分からある程度の禊ぎをする必要があるわけだ。
ただ、それが事実なのに小さく(悪くないように)見せるためにそれをやると、逆効果だけれども。