SがでないMeteor Lakeの仕様 …… Meteor LakeがMobile/Laptop確定で、デスクトップはRaptor Lake Refreshか、それとも……

techpowerupとwccftechの記事である。
これらは、Meteor Lakeの性能に関する記事だ。

電力性能が5割アップとなるようだ。
GPUもExecution Units 数が128(Shader Units 1024)になり、ray tracingとXeSSをサポートするようになる見込みだ。そして、GPUの動作クロックは最大2GHzを超えるらしいので、期待してちょんまげと言っている訳だ。

但し、これはモバイルのH/P/UまたはYでしか登場しない見込みである。

これに書かれているMeteor Lakeは当初デスクトップ版の計画があったはずなのだが、今ではさっぱりと消えてしまったようだ。
原因は、CPUタイルとGPUタイルの両方を何らかの理由で準備出来ないからだと思われる。Meteor Lakeは、情報が出はじめた当初からCPUはIntel、GPUはTSMCが担当し、ホストベースにオンダイ実装するチップレット方式が採用されている。ただ、デスクトップ版は途中からTSMCが製造する計画も出ていたなど、情報が揺れていた。

そして、いつしかこの計画は消えて、Arrow LakeでSのデスクトップ版がTSMC、ラップトップ(DTR版)版であるP以下がIntelという形に変わった。このArrow Lakeの予定は現状で2024年Q2以降の発表となっており、Meteor Lakeの今年の夏以降発表で後半という計画からずれているのだ。即ち1年の空白が生まれることになったのである。

<上げすぎたクロック周波数の代償で
         一回休みかそれとも……まだ追うか?>

そう考えると、ヤバい雰囲気が見えてくる。AMDが今年デスクトップで対抗する品を出すかどうかにもよるが、もしそれをやってくると、IntelもRaptor Lake Refreshを出すかもということだ。そもそもRaptor LakeがAlder Lakeのrefresh版なので、たった2年か3年前にSkylake系で見た停滞が起きる可能性がある訳だ。

実際には、1世代休ませると思うが……もし、出してくるとしたらArrow Lakeも厳しくなる恐れがある。
これは、端的に言えば、現時点でデスクトップのクロックが高すぎるのでそれを下げるための、お休みを作ろうとしていると言うことだと思われる。

デスクトップは無理にクロックを引き上げすぎてきたので、Meteor Lakeでそれを追った場合、コアの選別コストが高くなりすぎて利益が成り立たない上に、多分漏れ電流の問題がより深刻になると考えられる。しかも、チップレット方式を選んだ現在、どのメーカーでもある程度安価に製造できる品質を保たないと、儲けが落ちる恐れもある。要は、Intelで全量製造するなら、好きなだけクロックを上げられるまで挑戦すればよいが、TSMCやSamsungに生産を委託して、クロックが上がらないからやり直しなんてことは出来ない。それが長く掛かるほど、製造委託している企業に払う金が増えるからだ。

だから、常識的に考えるなら1世代休ませて、クロックを適正まで下げてArrowで適正な消費電力に戻して勝負する形に整理し直すのでは無いかと考えられる。

その方が、クロック選別が減り生産歩留まりも上がる上に、今のようにmacは少ない販売下落で耐え、IntelとAMDは熱くなって結構落ち込むというイメージの悪い状況も払拭できる可能性がある。即ち、一端デスクトップのクロック競争を止める訳だ。実際に、Arrow Lakeはかなり省エネルギーに重きを置きつつ性能を引き上げた製品になるとIntelも示しているので、そうなるんじゃないかと考えている。

ただ、AMDとの競争もあって、Raptor超えの暖房を出す可能性も否定は出来ない……果たしてどうなるか?

それがこの記事を読んで最も気になった部分である。