トルコ・シリア地震、死者3700人超える …… 時間と共に増える死者、1日経たずに3000人超えという大きな被害。

AFPBBの記事である。


この地震が起きたのは、日本時間で2023年2月6日の午前10時17分のことである。
そして、この3700人という情報は2月7日の午前

直近の最大余震はMw7.5となっているようで、本震のMw7.8に迫っている。

2016年の記事でも図で示したが、震源が浅い地震は、直上で猛烈な揺れを伴う。Mw7.8の今回は震源の深さが約10km~20kmでと推定されており、熊本地震とほぼ同じ深さだったようだ。それで地震の規模は熊本より大きかった。尚マグニチュードの規模スケールは指数倍であるため、数字の見た目に対して大きくなれば地震の規模は倍数で増加することになる。そのため、Mw7.0(Mj7.3)の熊本に対して、今回はMw7.8だとすると13倍~14倍ぐらいの規模になる。

尚、ウェザーニューズが震度5~6と評価しているが、これは日本の地震メッシュスケールで考えると合わないものであろう。この深さで起きたなら直上は震度6強以上震度7クラスであると考えるのが妥当だ。ただ、日本のように地震計が張り巡らされた場所ではないし、この深さだと震度7スポットはかなり狭いと推定されるそのため、震源近傍で割出すメッシュスケールが広くなり、5や6相当になる。

実際は、震源の上は狭い範囲だが震度6強から7だったと考えるべきだ。しかも、それが最低でも2回は起きていると考えられる。また、この深さで本震が起きているため、弱い余震もMw4~Mw5に達する。それも浅い場所だ。だから、余震も浅い場所で且つ被害が大きかった場所や少し離れた周辺の活断層の周りで頻発する。

M5でも深さが10kmやそれより浅い(極浅い)ものだと、Mw5で震度5弱から強になるわけで、日本のように耐震基準がある場所でも、基準が弱い古い家屋なら被害が出かねないレベルに達する。即ち、全容が分かるまで暫く掛かるだろう。


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<シリアは内戦も終わらず、
        トルコは対外債務や通貨リラの不安定……に地震>

今、

さらに、救助活動が終わったとしても、それで終わりではない。
最も問題なのは今回の地震、シリアとトルコの国境付近で被害が出ていることにある。シリアはご存じの通り今もアサド政権と反政府組織との間で内戦が続いている。難民の数は1000万人規模と言われるほど多い。一時期は欧州に逃げ出す人も多くおり、今も不正に逃げ出す人がそれなりにいることが知られている。

その取り締まりが行われる地域にも被災があったとしたら、あの地域の治安がさらに悪化する恐れがある。また、トルコは2021年に掛けてリラの暴落に苦しんだことも問題になる。昨年は前年に比べると何とか安定させていたが、今回の被災がどう影響するかが心配である。


ちなみに、トルコは黒海を挟んだ対面がウクライナであるため、頻繁にウクライナとロシアの間に入って協議をしていた国でもあった。今回の震災でそういう外の政策をやっている場合じゃなくなる可能性が高いので、これが国際社会に与える影響も無視できない。



<募金など支援が必要だが……>

これから、赤十字などが募金活動を始めると思うが、世界的に物価高による経済の先行き不安がある中で、こういうのも集まりにくくなる上に、物価が世界的に高いことで同じ額が集まっても、支援できる物資は減っていくという悪循環が起きる。

争いでは無く、災害復興にお金が回る世界になってほしいものだ。