開発が進むAndroid 14は Android API Level 23以下をサイドローディングでも制限へ……影響が出る人は少ない模様。
2月も6日になったので、そろそろAndroidのセキュリティアップデートが公開されているかなと思ったら、まだだった。
遅い時は7日~9日ぐらいまで遅くなるので、これが特別遅い訳では無いのだが、Androidも最近はCTSリビジョンやリリースリビジョンの変化も減少しており、バージョンが上がろうが上がるまいが差が減ってきている。どちらかというと、アプリ等もWindowsやMacのように淘汰収斂(しゅうれん)され始めており、目新しいものは無くなり始めていくと同時に、フリーなどで個人が作っていた物が消え始めているのが、成長時代が終わったことを示している。
そんな中で、最近記事として出てきたのが、Androidで古いアプリが動かなくなるよという記事だ。
これは、記事中にもあるが、Android 6.0 marshmallowより前のAPI Level 22以下に対して、制限を掛けて止めるというものであり、事実上Dalvik VMベースで設計されていた世代が終わることになる。但し、全く動かせないという話ではなく、一応アクティブロックを停止するコマンドがあるので、そのスイッチをターミナルなどから指定してインストールすればインストール出来るようだ。
そこまでする人は少ないだろう。何せ、この世代のアプリの多くはSSL/TLS1.1時代の製品が多いため、スタンドアロンのアプリで無ければ、Webの利用に制限が生じるからだ。強いて言えば、古いライブ壁紙やオリジナルのホームなどのパッケージで影響があるかもしれないが、実用アプリで今も使っているというものは少ないだろう。
尚、6以上向けに設計されたアプリは従来通りに動く。元々4.4系のKitKat迄はTLS1.2がデフォルトでオフまたは未導入(TLSのAPIセキュリティ設定はある)なので、影響があるのは5系で止まっているアプリになるだろう。
もっと言えば、Android 14ではそもそもARM v9.0-A(Arm v9.0 Architecture)のSoCならばABI32のサポートが事実上終了する見込み(確定ではない)だ。そのため、32bit設計殆どのAndroid 7.0 Nougatぐらいまでは上位のAndroidスマホでは一気にサイドローディングでも動かなくなる可能性はある。即ちOS側もハードに合わせて足切りを始めるということである。それが実際に行われるならば、ハイエンドではAndroid 6どころかもっと上でも32bitバイナリーだと動かないものが出てくるだろう。
ちなみに、これでAndroidの自由度が下がると思っている人もいるようだが、そもそも自由度は下がっていない。
ただ、危ない古いアプリが消えるだけであり、ハードに合わない物が取り除かれるだけだからだ。
むしろ、これが問題だと思う状況になっていると感じるならそれは、そのアプリの開発者が開発を止めた理由を考える必要があるのであって、Androidが悪いとは限らない。これは、Windows 95~XP頃まで沢山フリーソフトやアプリケーションソフトが湧き出て、その後消えていったのと似ている。
市場が大きく発展する時にはそこに、沢山人やモノが流れ込むことで沢山のモノ(アプリケーションソフトや周辺機器)が生み出される。これがAndroidだと2.3~5.0ぐらいまでの間だった。ここを頂点に成熟し、8から10ぐらいまでは高い状況を維持した。そして、11以降は少しずつその成熟が終わり、別の方向に人々が感心を持つようになった。要は、スマホでアプリやハードを開発するのが誰でも楽しく、誰でも稼げそうな時代が終わったと思うようになったのだ。
では、黎明期から発展する中で作られた放置アプリというのは何故放置されるのかというと、多分多くの場合は、学生だったり、趣味で仕事の合間などに作ったものを公開して保守していたが、どこかでそれが出来なくなったことで終わるのだ。例えば、結婚すれば出来なくなるかもしれないし、会社で役職が変わったり、就職や転職、進学すれば変わることもある。もっと大きく変わるのは、今までこれを作ることが楽しかったが、その意欲が別の趣味や挑戦に向かえばそれで終わる。企業だと利益が出なければ開発はしない。
そうやって終わっていく。だから、OSメーカーがサポートを続けるべきかというと、そうではない。それをサポートし続ければ、新しい物に実害を与えたり、性能が十分に発揮できなくなったりすること有り得る。だから、サポートが既に長い間ないアプリなら切り捨てることになる。
ちなみに、Windowsではもっと古いものも動作したりするが、PCとスマホと大きな違いは、PCの場合は古いほどスタンドアロンで動くものが多く、ネット接続を必要としない依存しないことにある。携帯のアプリもそうだったが、スマホの場合は最初期の製品でもネットワークを意識した作りになっているため、そこの更新が止まっていると脆弱な状態へと変わっていく。それを防ぐには切るしかないのだ。
これは、最近のAdobeなどのソフトやMS OfficeやWindowsのサポートにも言えることだが、ネットワーク連携とか、クラウドワーク、ハイブリッドワークとか言われるソフトウェアの場合は、クライアント側のセキュリティアップデートが終了すると、それがネットのクラウドに対して通信するための機能が抜け穴としてクライアント側にもサーバー側(組織側)にも使われやすくなる。だから、ネット機能を重視しないソフトウェアなら、スタンドアロン版を導入した方が長期での運用コストはお安くなる。(但し、複数人で情報を共有するには向かない)
iOやAndroidのような携帯電話のアプリの場合は、その問題がはっきり出るため、切らざる終えない訳だ。

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