ヤフーとLINE、ZHDが合併。サービス連携強化と統廃合を推進…… 事実上の統廃合による効率化という事業縮小モデル。
Watchの記事で日経も書いている。ただ、watchほど大きく扱っていないのは、大したニュースではないからだろう。ネット上では多少反応があるがその程度だ。
LINEとZHDが合弁を組むことを発表した時に、どこかでこうなっていくだろうことは予想されていたが……あまり良いタイミングではない。
むしろ、あの合弁の段階で非効率な重複事業が多かった訳で、それらをどうすんの?でだらだら何もせずやってきて、今になって慌てている感じが、相当な不味さを感じさせる。
ここに来てもうこれしかないという結論になったのだろうが、これ下手するとNAVERが最後に美味しく頂くパターンもありそうだ。
尚、GYAO!の処分やら、LINEのBlogなどの事業の統廃合が進んでいるのも、これが決まっていたからと考えられる。そして、これから、さらに不採算事業の統廃合が加速するだろう。今まで、LINEは行政などと組んで事業もしているが、それによる成長も終わりつつあるし、物価高やハイテク景気の先行き不透明感もあるのだから当然だ。
ちなみに、この3社がくっついてもこれの親となるA Holdingsは残ると考えられるので、まだ出資が変わる訳では無いだろう。これまで通り、ソフトバンクとNAVER関連がこの統合会社の親になるのは変わらない可能性が高い。まあ、株式分割とか公募増資とかしないなら、Aの株式保有率も薄まらないと考えられる。
では、何がメリットかというと、単純に3つに分かれていた事業が1つになるので、重複したサーバー、サービス、労働者を削ぐことが出来るという点でメリットになる。要は、無駄を排除してスリムになるというだけだ。その分を、新しい事業に向けるのか、そのままリストラクチャーで終わるのかは役員がどう考えているかだろう。まあ、GYAO!の後釜としてTVerと組む流れを示したりしているので、転籍によって他の提携関連会社に移らざる終えない労働者も増えそうだ。
そして、LINEとYahoo、ZHDで別々にあり重なっていたサービスがこれから見直され始めるだろう。即ち、サービスブランドの種類は確実に減るだろう。
この統合は、消費者から見ても、決して順風な状況を意味している訳では無く、この統合が上手く行かなければ……いろいろ詰んでいくことを示している。特に、必須の条件はLINEが海外で成長することと、殆どが国内のZHDやYahoo事業をLINEの海外事業にどう乗せるかが課題だろう。
まあ、破壊的なポイント還元で利用者を取ってきたPayPayですらも赤字の状況だから、くっつけただけでは厳しい。むしろ、くっつく前の頃の方が、まだ競争していたから可能性があったし、投資家は魅力的に思っていたよね?という雰囲気になっているのだから。消費者から見ると何となく良さげに見える人も居るだろうが、上から俯瞰して見るとばらまいて後で回収するモデルすら今限界に達し始めている訳で……
大手同士がくっつけば、成長するという状況ではない今。これから小さくなっていく日本事業と世界競争において伸びが不十分なSNSという合体が見た夢は、岐路を迎えている。