AMD、前世代比2.7倍の性能となった「Radeon RX 7000」……RADEONもチップレットに。業績も他社よりは良い。

PC WatchとASCIIの記事である。


米での販売価格もNVIDIAと比べると大幅に抑えられていることから、CUDAを求めないならかなりお買い得になると考えられる。
逆に言えば、示している性能が確かならば、CUDA離れがもう必要なレベルまでNVIDIAはお高く止まりつつある。電源コネクターが溶けた例も出ているし……NVIDIAは無理して性能を上げすぎているとも言える。それだけ、NVIDIAはこれまで美味しいお値段で売り続けて、そこから離れられない状況にあると言える。NVIDIAが訪れつつある半導体不景気を乗り切れるのかも心配である。(これアナリストの当初予想より今のところ、遥かに状況が悪化する可能性が示唆され始めている。)

今回の製品ではチップレット方式を採用しているため、AMDのRyzenのCCDと同じようにGCDと呼ばれるコアをGPU基板に変則で実装することが出来ることが、AMDの製品価格が抑えられている理由だろう。チップレットになると元々一体成形していたGPUやCPUの足周りが分離され、下駄となる部分が別立てとなる。その上に、用途に応じたコアやホストを複数載せることで性能を選別したり、機能の組み合わせを変更することが出来る。

もちろん、下駄部分の構造は統一されているため、載せられるチップの数や機能(アクセラレータ)の数には限界があるが、上限さえ決めれば減らすことは容易に出来る。また、アーキテクチャが変わらないなら、世代後退しても下駄の部分は同じものを使う事も可能だ。

さらに、GPUやCPUその他の制御部が一体成形ではないことから、欠陥率が下がるというメリットもある。これが、安価(リーズナブル)で柔軟(自在、フレキシブル)で高性能(ハイパフォーマンス)な製品を生み出す原動力となる訳だ。

AMDはGPUもCPUもライバルに一歩及ばないと言われ続けた訳だが、だからこそコストを下げる努力が求められてきた。それが今形になっていると言える。問題は、IntelとNVIDIAがAMDの猛攻に晒されて、無理に熱量枠を引き上げて、AMDもその競争に乗らなければ、最上位の製品の価値が下がってしまうような酷く醜い過当競争が起きていることである。

2.7倍ではなく、2倍ぐらいまで抑えられれば、そのままのTGPを維持出来ただろう。逆に言えば、そこまでしなければならないAMDやNVIDIAの姿勢というのが、評価されなくなってきているから、個人向けのPC市場の業績が低迷しているとも言えるのかもしれない。

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