「習近平は退陣せよ」 中国各地で異例の抗議デモ、ゼロコロナに国民の怒り噴出…… これが将来何に繋がるのか?

CNNの記事である。


昨日からこのニュースが流れているが、今朝は打って変わってという状況のようで、異例の事態とは言えど政権に影響を与える状況にはないと考えられる。権力の集約が終わってきた今の中国では、ここから天安門事件などのように政治、社会が大きく変わる流れになる可能性はまだ低いだろう。少なくとも、民衆だけでは変化は起きない。必要なのは、政を司る人物の離反、軍や警察、公共などの一定規模の同調が重なる必要があるのだ。

離反が起きずに変化するとしたら、中国にとっての敵国の支援があった場合に限られるだろう。今、日本を始め欧米各国や世界の国々がそれをやるほどの余裕があるとは思えないので、内側にそういう勢力がいないなら、時代が大きく変わることにはならないだろう。

ただし、だから心配がなにもないというのは言い難い。
不満がこれからさらに強くなっていくようならば、このまま断続的なデモや抗議活動が続くと、徐々に国のなかが廃れていくだけではなく、国力の低下や外資企業の撤退なども始まる恐れがある。

それらの懸念からの影響が今日の株価などにも出ているといえる。
このところというか、コロナ前から少しずつ怪しくなっていたが、次々平常が不安定な状況へと転じつつある。一難を完全解決する前に、社会の不安定が顕在化し、人々の不安が声や行動として示されるようになってきているのだ。

世界No2まで経済発展を遂げた中国でそれがさらに悪化するようだと、ドイツ、イギリス、日本も厳しくなってきている中で、世界的に秩序や経済の大転換が近い将来やってくるだろう。


<止まらぬ不安と激動への転換-あれから100年が迫る>

昭和の金融恐慌は日本では1927年だった。そして、世界恐慌は1929年である。今がその時と同じではない。ただ、世界での社会不安は下手をすればちょうど100年前ぐらいと同等程度には高まってきているかもしれない。エネルギー問題、気象環境の変化、政治的な腐敗に、食料問題、貧困、格差、そして政治による地政学的リスクや、パワーバランスの急激な変化が起きているからだ。

市場には金が回っているはずなのに、人々の手元に金がない世界3番目の経済大国日本というのも失笑ものである。
この傾向は欧米ではより深刻になっており、中間層が貧乏になり、冨が一極集中していく現実が主に先進国の富裕層を中心に世界で起きている訳だ。それを国家が容認するようになり、金融市場と公共事業や広告サービス事業を除く経済が萎み始めてきた。そして、ここにきて広告サービスが地政学的な問題から物価の上昇に耐えられず厳しくなってきている。

これがもしも、今後何年も続くようならば、2020年代後半に危機がやってくるだろうと予想される。その走りが今、各国で起きるデモや紛争でなければ良いが、もしそうであったなら、技術革新という英知による社会発展が終わることも有り得るだろう。100年前とは違うからこそ、1度この高度な文明に亀裂が入れば、高度な社会を保つための知は一気に瓦解し始める。それこそ、これは世界文化遺産に残るような古い王朝の史跡などが示す現実である。分業された高度な文明は、1人では維持出来ないのである。むしろ、高度な人専用の社会では、食料や生活物資すらそれぞれの専門業者がいなければ、手に入らなくなるのだから。

そこに社会を破壊するだけの時代が来れば、多くの血が流れ、知が失われるだろう。まあ、今では血を流さなくても、一部の知はデータシステムが分断されたり壊れていけば、自ずと読み出すことも、取り出すことも出来なくなるのだが……。

そうならないために、上に立つ権力者は、定期的に変わっていくことと、権力を監視するのが民衆であること。
そして、武力に依らない知力や協力、議論などで解決していくことが求められる。

それが、既に壊れかけているから、問題になる。結局、上に立つ者がどんどん議論するという本質を忘れ、妥協を忘れ、力を欲しているからこうなっていくんだろう。そして、それにいつまで民衆や社会が耐えられるのかの問題である。その前に、どの国も改善がはかられるの出あれば良いが、もう既に難しくなっているように見えてならない。


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