Snapdragon 800~8 Gen 2までの8 Series 仕様比較公開……Snapdragon 8 Series 10年の歩み。
久しぶりの仕様表である。
800からだと、表の中で重複している820系(Lite/無印/821-これだけ当時は分けて記載した)が別々なので、16になっているが、同じ(Plus系と同じ扱い)とすれば、14ブランドある。この後からは、プラス系が誕生したことで、ブランドはほぼ一本化された。強いて言えば870がちょっと変わり者だったぐらいだ。
それでも、数がこれほどになると表もデカくなる。しかも、過去からの蓄積なので仕様の差がエグいほどある訳で、今回そのエグさをさらに細かく追加しているので、より巨大な表になってしまった。実際にはもっと細かく作れるのだが止めた。
尚、一部間違いがあるかもしれないので、あくまで参考程度として欲しい。
しかしまあ、こうやって比べると分かるが、8シリーズ(800)が登場してちょうど10年になるわけだが、本当に驚く程このSoCには大量の機能が搭載されるようになったことが分かる。
最初はGNSSもGPSとGLONASSだけ、BeidouはまだRNSS扱いだったし、QZSSなど搭載されていないIZATブランドだった。しかも、取れるのはSingle周波だったそれが、マルチシグナル対応になり、同じシグナル内で2バンド対応になり、今回Triple(3バンド)になったようだ。
CPUは32bitのKrait 400が4コアだったが、今では8コアで4種類のヘテロジニアスCPUとなった。
GPUは128ユニットのシェーダーコアが今では推定960に達している。
セルラー通信速度も最大150MbpsだったDownLinkが10Gbpsに達した。
無線LANは867Mbpsから5.8Gbpsに達している。
動画の処理もH.264/AVCでやっと30pの4K映像が処理出来る時代だったのが、今回の8G2ではAV1のデコードまで正式にサポートした。しかも60pの8Kで処理出来る。
パソコンに使われてきた後半5年が停滞気味だったデスクトッププロセッサーより凄い進化をスマートフォンのSoCは10年間続けてきたことが分かる。
しかし、これほどの機能が増えても、使う用途は変わらないスマートフォンでは、なかなか売れなくなってきているのが、8系の製品である。多くの人にとって4Kすらも容量を多く消費するので決して必要な機能とは言えない状況で、8Kの動画とか要らないし。下手すると写真より解像度高い動画になるのだから。
ゲームなどをしないなら、GPUの性能も未だ865未満の製品でも十分に快適動作するだろう。下手に安いスマホに買い換えると835や845からの買替えでも未だに遅くなるほどである。Androidは……ただ、OSの保守が終わってきているので、それでも買い換えなければいけない。Snapdragon 8系にとって難しいのは、その価値をより多くの人に知ってもらうのが難しくなってきていることである。
これが、今のそしてこれからの課題だろう。
尚、今回の8G2は、やろうと思えばリアルタイムの翻訳をバイリンガルで最大2つ出来るとか、カメラを使ったセンシング技術を強化し、より美しい映像処理や立体処理、機械学習によるアルゴリズム解析(ARなどの合成や距離測量などに使える技術)が出来るというのが売りになる。
また、ゲームでray tracingができる事も売りとなる。
後は消費電力と発熱が言われている通りに下がるはずという点だ。
今年は最後の消費電力や発熱が、多くの8ユーザーにとっての期待になっている。これまで2世代が特に消費電力面では評価が悪かったので、これが良ければ値段や経済情勢にもよるが売れる可能性が高いだろう。