ポーランド着弾は「ロシアのミサイル」 ゼレンスキー氏、改めて主張 …… このままならバイデンも離れるだろう。

AFPBBの記事である。


ANSA.itなどではNATOや各国政府高官がキエフ(キーウ)を責めることはないが、ウクライナから発射されたものであることを、確信しているようだ。その状況でも、ロシアのミサイルと言い続けることが、このゼレンスキー大統領にとってメリットにはならぬだろう。

実際に、こういう発言を受けての英語圏の反応はかなり悪い。日本も然りで、最近はだんだんと声を小さくしていたゼレンスキー大統領を支持できないという人々に呼応する形で、ゼレンスキーも信用すべきではないという声があがり始めている。

そして、首脳陣も懸念しているだろう。ゼレンスキーをこのまま支持していたら自分達の身が危険に晒されるからだ。
これには欧米を始めとした各国も頭を痛めていることが上記のANSAの記事を見ると分かる。

戦端が開かれた当初の亡命政府話は、SNSでゼレンスキー大統領の突然の見放されたという発言で世界の同情を上手く掴んだことで消えたが、あれがNATOが望んだものだったのだろう。ただ、その先は、世論と報道と米英のやる気に押され、表向きは正義の戦いとなったが、どんどん戦費が膨らみ、各国も防衛費が膨らむことになる中で、経済は落ち込みはじめ、生活はどの国も苦しくなった。そのため、徐々にウクライナの支援は止まりつつある。そこで誤射をした可能性が高いと言われる国の大統領が改めてこの発言だ。

NATOや米国に説得される形でも早急に、国内からの誤射や撃墜の失敗による落下であることを認めないと、NATOも支援が難しくなるだろう。

この発言すらも早期に解決出来ないなら、もっとNATOには気掛かりな不満と不安が生まれるのかもしれない。
それは、最も最悪なパターンである。それは、この大統領が信用出来るのかという話である。怖いのはこの大統領が、この手の支援を世界から受けられなくなると分かった時に、果たしてどんな行動をするのかが読めないという点であろう。自分で各国がレーダーなどの情報を元にした事実を伝えても認める気がないなら、本当にこの政府は危険な政権になる。都合良く金をくれるだけの間柄だったことになる。

もし、これでEUやNATOも敵、ロシアも敵といった形で流れを変えてくると、NATOはロシアのいっていたことを認めなければいけなくなるが、だからといってロシアに歩み寄ることすらもう困難である。何故なら、ロシア軍はNATOの兵器で甚大な損害を負った事実が残っているからだ。

即ち、ゼレンスキーが例え演技であったとしても、信用に足る人物を今後も演技してくれないとNATOは支援が難しくなるという最悪を避けたいから、早期に認めて欲しいのがNATOの立場である。ただ、それで認めてくれたとしても、不信の芽は、もういくつも育っている。


<米国やNATOはいいなり……と思い込んでいたら……>

尚、ゼレンスキーが認める方向に動かなかったのは、これまでにこういうごり押しで、通った例があった可能性と、東部奪還作戦が進んでいる中で、それが止まる懸念があったこと。そして、G20中だったから、それを良い方向で利用するつもりだったという3つが考えられる。

特に、もし1つ目があった場合、米国やNATOはウクライナの言うことを訊いてくれると思い込んでいる恐れがある。それが、状況を悪くしている可能性も否定できない。

<争いは感情で見ても結果は改善されず……後に別の大問題を産むことも>

当初から書いているが、戦争を感情で慮るのは止めた方がよい。

報道として最もまともに伝えていたのは、今回インドだろう。NDTVは時系列に纏めて報道していたからだ。ここにはロシア側の情報もあり、NATOからの情報もあるため、今、このウクライナとロシアとの紛争に関わる報道で、両方の情報が明確に分かるのはインドぐらいしかないのだ。

上記を読むと分かるが、ロシア側は米国が中立に判断してくれたと評価しているようだ。
一方で、ゼレンスキーはNATO(米国)に対して証拠となる情報を渡して欲しいと求めているようだ。

果たしてNATOがそれを渡すのか?という話も出来るが、そもそもその情報がないと、自分達がどこにミサイルが到達したかも分からない。どの部署が打ったのが、どの部隊がどういう作戦をしているのかも、上が判断出来てない可能性を示すわけで、武器の横流しなどの懸念も出てくる。これは、米国で初夏頃に言われていたことだ。

これは、本来の手順ならどの付近から発射されたかだけを求めて、内部でその事実を確認した上で最後に照らすのが普通だ。そういう誤射の情報はないなら、その情報をウクライナ側がデータとして出さなければいけない。

これ、もしも、ゼレンスキー政権が主張を続けるならゼレンスキー大統領をウクライナの政権中枢から外す形で、米国(NATO)がロシアと和解するという流れへと変わって行く可能性もある。


尚、トルコなどが停戦協議を急ぐべきとしているが、米国もロシアのこの発言を皮切りに、停戦協議を始めるように強くゼレンスキー政権に求める可能性は十分にある。軍の内部統制を政権のトップが掌握出来ないなら、かなり危険だからだ。もし、それでもロシアが協議をすることに関心を示し、ウクライナがそれを拒否するなら、世界情勢や大統領の発言次第で、徐々にNATOも距離を置き始めるだろう。


まあ、全ては米国大統領がどこまで我慢出来るのかだろう。
既に最低でも1度は米大統領がウクライナの大統領に対して、嫌悪(激怒)を示していたことが分かっているのだから。

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