Snapdragon 8 Gen 2 Mobile Platform発表も特に目新しい情報はなく…… AV1 8K/60fpsのデコード対応。

Snapdragon 8 Gen 2が発表された。


CPUが噂通りの1+2+2+3ではなく、1+4+3の従来構成と同じだったことが外れだが、ほぼ噂通りであった。まあ、最近はここに記事を書くこともないが、IEEE802.11be Draft 2.0に対応したQualcomm FastConnect 7800 Subsystemを搭載したり(これでBT5.3にも対応)、X70 5G/4G Modem-RFが搭載されたり、UFS4対応だったりというところである。それからAdrenoがray tracing(RT)に対応した。ただ、演算性能はFP32で2.7~3.2TFlops程度と考えられるので、ハードウェアでリアルタイム処理出来るのは、720pぐらいまでのようだ。

そもそも、PCのように専用VRAMが4GBも8GBも載っているわけでもなく、VRAM共有の物理メモリーが最大16GB(8GB~16GB)しか搭載できないので、RTがPCと同じフルセットで動くとは考えにくいだろう。RTは精細度が上がるほどVRAMが山ほど必要になり、SoCが搭載できる上限の物理メモリー(16GB)でもFHDの演算だと足りなくなる。だから、HD(720p)でスーパーサンプリング(DLSS)で補う形になると考えられる。

他は、Computer Vision ISPがSpectra 680 ISPから、Spectra Cognitive ISPs(780相当)に変わったりとかしているが、Qualcommの売りはここ数年、NPE(DSP+Q-AI+Adrenoを使ったSensing Hub)である。888→8G1では4倍の性能アップだったが、今回はさらに4.35倍と性能アップを加速させている。これは、all precisonsにINT4が追加されたことと、AI用のASICを2つ搭載し、2コアにすることで性能を倍に引き上げたからようだ。前モデルが推定で104TOPだったが、452.4TOPまで上がる計算である。


ちなみに、性能が高いから良い製品になるかは分からない。

8G1は酷い発熱問題があり、ハイエンドでは結構多くの人がAndroidから離れたと考えられる程度には、評判が悪かった。結局発熱の問題があるとどんなに高性能でも、最大性能が外気温の影響を受け始めるため、夏場にハングアップすることも増えたり、ゲームの動作が不安定になって落ちたりという話も増えてくる。それが、8G1の最大の懸案だった。

今回の製品は噂通りなら、発熱は888と同等以下ぐらいまでは低下しているようだ。865より下がっていれば良いのだが、そこまでは分からない。これが確かであれば、価格次第ではそれなりに売れるだろう。まあ、実際にはその価格がかなりお高くなっている可能性がかなり高い。

だから、噂の中には発熱、価格などを加味してクロックを抑えたLite版があるのではないかという情報もあった。実際にそういう製品があるのかは、現段階で定かではない。今回はそういう情報は出ていないようだ。


この記事へのトラックバック