ジブリパーク開園 アニメの世界観再現―「大倉庫」など先行3エリア・愛知 …… 一回で十分を目指すなら2024年以降です。

時事通信社の記事である。


東京都三鷹市にあるジブリ美術館はコロナ渦でかなり集客に苦労していたようだが、今は予約がほぼ完売する状態のようで、人気が大きく落ちたわけではないようである。ただ、それを理由にこれも長くは持たないと言う人もいるのがある意味で滑稽である。

もちろん、ジブリパークがこれぐらい息長く続く施設になるかどうかは分からないが、全面開業は2024年(もののけの里が23年、魔女の谷が24年)なので、この1年2年なら客足は一定以上を維持出来るだろう。即ち、2023年頃迄に行く人は、一回で十分だと思ったとしても、実際に全部を知るには、全面開業後にもう1回行く必要がある訳である。


尚、スタジオジブリにとってのこの手のアミューズメント事業は、細く長く会社を存続するための手段の一つである。

スタジオジブリの場合は、長編アニメーション映画に特化しており、しかも90年代から00年代前半までの徳間書店のバックアップがあった時代のように、じゃんじゃん制作費が手に入る時代でもない。最も、近藤喜文監督の急逝で、宮崎駿、高畑勲といった名監督の後釜がいなくなったことも、また宮崎駿だけがあまりに高く評価され、他のジブリ作品が振るわない(とは行ってもかなり稼いでいた)と思い込む人が多くなるような報道や社会の状況だったのも、高畑がいなくなったジブリで未だに宮崎監督が新作を作らなければならず、他の制作できそうなクリエーターが離れてしまった原因と言えるだろう。

こういう問題がなければ、隔年~3年ぐらいでアニメーション映画長編の新作がジブリから出ていたかも知れない。また、こういうアミューズメント事業ももっと凄い事業が展開されていたかも知れない。


ちなみに、ジブリパークがもし長く持たないとすれば、入場料の割に内容が乏しい場合で目標の1/2以下の人入りだった場合だろう。この場合は、4年目以降の客足が大きく減るなら、大変かも知れない。一方で採算ラインが何人の集客なのか分からないが、いわゆるモーターアトラクション施設などがない公園や展示型の施設の場合、維持に求められる電気代や点検費がそれなりに抑えられるので、思ったより少ない年間観客動員でも、それなりに稼げる可能性は高い。

そもそもここも今のところ完全予約制のようなので、すぐに国内外の需要を満たして飽きられることはないだろう。どちらかというと、ジブリパークにとって厳しい問題があるとすれば、最新の作品でヒットする作品が出て来なければ、若い人が感心を持たなくなる恐れがあることだろう。これも、日本に関して言えば、金曜ロードSHOW!などが定期的にジブリ作品を扱っているので、まだ大丈夫である。


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