動画拡散、トラウマへの対処急務 ソウル雑踏事故、悲鳴や遺体写真 …… それを使っていたのはメディアも同じ。

共同通信社の47NEWS記事である。


今回のハロウィーンでの死亡事故は各国でニュースとなったようだ。日本でも今日がハロウィーン当日とあって挙って扱っているようだ。
この事故は、いくつかの報道を見る限りでは、上に行くほど傾斜が強くなる坂で起きたようで、坂の上にある繁華街に向かう人と地下鉄の駅に下る人とがこの坂でぶつかり滞留することで起きたようだ。

多分だが、押し合い圧し合いする中で、数人が胸を圧迫され気絶したのだろう。そこから、一気に人が倒れる事態になり、圧死する結果になったのだと思われる。

ちなみに、テレビ報道や新聞報道の写真や映像ではモザイクが掛かっている映像だったが、どうもSNS(Twitter、Instagram、Facebook、TikTokなど)やYoutubeではモザイクなしの投稿が一時猛烈な数共有されたようで、亡くなられた方に心臓マッサージを路上の至る所でやっているシーンなどが拡散されたようだ。

これで、知人を失った人や、その現場にいて怪我をした人などが影響を受ける可能性もあり、本来は規模が大きい事件ほど、流すのは避けるべきだが、警察や消防の対応もこういう将棋倒しになるような密集事故では、難しく日本の渋谷などで行われるハロウィーンイベントのように、常に人が多い場所に警察などが待機しているわけでもなければ、抑えも難しい。

その上、誰もがスマホのカメラで映像や写真を撮影して、発信できる今の時代、これほど人が亡くなるとも考えて居なかった人も多いはずで、想像を超えた事態となったというのと、後はSNSなどの広告で稼ぎたい人などが、映像を安易に公開したことが、結果的に消しきれないほどの拡散を生んだのかも知れない。各国メディアもSNSを安易に引用することが増えているので、それも問題なのだろうと私は思っている。


<PTSDは後から>

尚、現場にいた人の一部はこれからが大変だろう。PTSD(心的外傷後ストレス障害)というのは、普通の日常に戻ってから暫くして出てくることが大半である。PTSDというのは、一般にある怖い体験をしたときに、それが心に残す悪い(死を彷彿されるほど危険な)出来事として記憶され、同じような要件を持つ場所や状況に対して、体が拒絶するというものだ。

人は元々、死ぬことを恐れる。だから、強く死を彷彿させた場所や、周りで身近な人が亡くなったような場合で、且つそれを目撃している場合などには、それと同じような場所を避けようとする本能が働くのだ。しかし、その本能は社会性を身につけている人にとって、周りから必ずしも望まれる行動とは限らない。要は、怖かろうがいやだろうが、人との付き合いや、組織との関係性などから避けられない場合もあるわけだ。また、怖い思いをしたとしても、最初は助かった幸福と事件の興奮からPTSDとは自覚していないが、時間が経過すると興奮と幸福から一歩間違えれば自分がという無意識の感情が呼び戻されるようになり、PTSDが突如として生じる事がある。

今回の場合だと、坂道、夜間、人混み、雑踏などの条件でそのうちのいくつかまたは1つでも重なると、不安が押し寄せる人もいるだろう。また、その時に感じていた感覚でフィードバックする人もいる。音、匂いといったものだ。

これがあるから、実は人が沢山事件に巻き込まれている場合は、事件の映像に注意を払わなければいけないわけだ。だが、事件の規模が大きいと、事件の報道も大きくなり、映像もどんどん新しい物が加えられていく訳で、被害者や現場に居た人に配慮した報道や社会反応はされなくなる。これが、PTSDを生み出しやすくすることもある。

事件に巻き込まれた人から見れば、もう良いだろうという話でも、社会は実写エンターテイメントになるから怖いのである。


まあ、今回の件はそんなに特別な対策があるわけじゃない。
出来る方法は、既にありきたりな方法だ。

・イベントで人が集まるなら警察や警備員を配置する。
・人があまりにも密集する恐れがあるなら、周りの道路の車両通行などを閉鎖するなどして、人がその通りなどに集まっているのを分散させる
・狭い通路に人が集まるなら、その通路を一方通行にするか、真ん中に仕切りを設けて右左で通行区分(上りと下り)を分ける。
・イベントなどに集まる人も、人があまりにも多いように見えるなら、目的地を変更するなどして人混みを避ける。
・人混みに飲み込まれた場合は、人の流れに逆らわない。

・危険なほど人が集まっている場合は警察や消防などに現状を通報することで、最悪になる前に交通誘導が行われることもある。

・幼い子どもや、背の低い人などは人混みに飲まれると、呼吸切迫や低酸素になる率が上がるので、極端に人が多いように見えるなら、人が少ない場所などに早めに抜けることが肝要である。

・俯瞰して状況を確認出来る人が上などにいるなら、数人が協力して誘導するのも大事だ。


尚、危険性の高い人混みというのは、一般にパーソナルスペースがゼロで体の肩幅において前後左右の全てが隣や前後の人と接している状態の場合である。大都市圏の満員電車状態と似ている。これになる直前は、ある傾向が見られる。それは、前に進んでいた人の足が遅くなり、後からの人に押されるようになるという現象だ。人と人との距離が徐々に狭まって横の人と肩が触れたりというのも発生するようになる。

こうなったら、とにかく、流れから外れられる場所を早めに見つけることだ。喫茶店でも飲食店でも、お腹がすいていなくても、入ってコーヒーでも注文して暫く待った方が良い。


ちなみに、前が込んでいるから後の人に戻れというのは、下手をするとより状況が悪くなる。
ある種のショックウェーブ(衝撃波)が生じるので止めた方がよい。もし、戻るように促すなら、中央センターラインで上下線が反転する道路のように、半分から右を進ませ、左を逆方向にといった対応をするのが妥当だ。しかも、これはまだ人と人の距離が十分に空いているときに徹底しないと無理だ。

これは、何故かというと、前に人が多いから後を向いて戻らせようとしても、より後から来る人々は、それには気が付かず突っこんでくるからだ。なのに後に戻ろうと反転する流れが強まると、前に向かう人と後に戻る人で衝突が起きる。

そして、衝突が起きる度に、後ろを向こうすると、最小回転半径が必要になる。そうすると引き返そうとする人はもちろん前に進もうとする人も押し戻される。前後の人に一歩下がって貰って反対をむき直す必要があるのだ。例え相撲取りであっても、前を向いている時の体の太さは、肩幅より狭いことが多いからだ。ということは、後を向くのに、前後の人をある程度押しのける必要があるのだ。

その時に反転する人を中心に進行方向の後ろや同心円状に波が起き……より、1人1人の距離が狭くなっていく。だから、後を向いた後には今度は寄り戻しの波が戻ってくる。これが繰り返されることで、どんどんと詰まっていくわけだ。

そして、人々の胸などが圧迫されると、呼吸切迫へと陥り、意識を失う。人が1人でも意識を失ったら、その意識を失った人という支えを失って周りも倒れ始め、崩壊する。


これは、そんなに複雑な原因ではないし、徹底した事故調査とか言っても、結論は人が多すぎたことが原因だ。そして、対策は人を減らすことと交通整理をする人を置くこと、坂道や徐々に狭くなっていく場所に人を沢山集めないこと(そういう場所は立ち入り禁止にするか、一方通行にする)である。

ただ、それだけのことだが、これまで事故が起きていないなら、予測するのは難しい。それを示したのがこの事故だろう。

これが、日本では起きないとは思ってはならない。ただ、日本は高齢化しているので起きにくいというだけで……何せ、高齢になると密集を嫌うようになるからだ。

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