梅毒患者、初の1万人超え…予想超えるハイペース「不特定多数との性交渉控えて」 …… 10月9日の段階で9,562例

読売新聞オンラインの記事である。


これは、東京都感染症情報センターの集計速報なので、実際の数字と一致しているかは不明だ。
実際の集計は国立感染症研究所のIDWRが週報として出している数字が本来の診断されている数字になる。1万を超えるというのは確実だが、こっちは10月9日までの集計で9562件(例)である。

前回書いた時には、コンドームがうんたらと書かれている記事だったが、今回はやっと不特定多数との性交渉を止めるようにという形に変わったようだ。報道機関が、下手にコンドームをすれば大丈夫といった報道をしてしまっていたからだろう。
性感染症は、体液で感染するものが多いが、梅毒は病原体の含まれる体液が粘膜周辺の細胞に侵入することで感染する。元々梅毒の元となる細菌Treponema pallidum subsp. pallidumは、酸素に弱く空気中では酸素が多いため生存出来ない。そのため、感染の時には乾燥し難い粘膜周辺で増殖している。そういう粘膜内側の酸素の少ない場所に纏まっている梅毒細菌を舐めたりすると、口腔や鼻、目などの粘膜に感染する。また、生殖器も感染の対象になるし、肛門(の内側)などでも感染する。いずれも全て粘膜があったり、湿った場所である。

性的交渉の場合、最低でも濃厚な口づけ(キス)や、性器への接触などがあるので、不顕性、発症済みに限らずキャリアーと呼ばれる感染者と性交渉をすればコンドームのあるなしにかかわらず感染すると考えて良い。

後は、いつ発症するのかや、発症しないのかの違いだけだ。


<梅毒は誰でもすぐに発症する訳では無い>

尚、梅毒は誰でも分かる様に短期間で発症するとは限らない。人によっては、軽い症状が出て、その後症状が治まり、何年か経てから皮膚症状や神経症状という重篤な症状になることもある。また、殆どの人は感染しても発症に至らないという特徴もある。だから、キャリアになっていても、気が付かないケースもある。このような傾向は、サル痘でも見られることだ。

だから、不特定多数と性交渉を持つのは避けるべきなのだ。
特に、女性はもっと自分を大事にした方がよい。梅毒は初期だと軽いが、治療を中途半端に行ったり、何度も感染して発症したりすると、深刻な神経症状や皮膚症状に繋がる。今は抗生物質があるので、晩期顕症が出て放置していなければ後遺症は少なく留まるだろう。


<不特定多数と性交渉があるなら検査を>

尚、ただ控えればよいだけではなく、今までそういう不特定多数との性交渉歴があるなら、検査を受けることも大事だ。

ちなみに、梅毒検査は内科系(婦人科などでも良い)の医療機関なら殆どの医療機関で受けられるだろう。今はネットでも検査キットがあるようだ。

検査は(迅速)血液抗体検査である。尚、性交渉直後には検査しても陰性になることがあるので、1週~3週空けて検査するのが良い。
治療は初期または無症状なら、抗生物質投薬による外来処方で終わる。但し、II期/晩期顕症で症状が重い場合だと入院などを行って、療養が必要になることがある。

尚、この病気は細菌性疾患であるため、絶対に途中で薬を飲むのをやめたり、受診を自分の判断で終了してはいけない。
治療を途中で中断して、もしも当該細菌を死滅させるのに失敗していた場合、耐性細菌が増殖したり、数年後に晩期顕症などより悪い疾患へと転じる可能性があるからだ。

もし、薬が合わない(下痢をするなど)なら、医師にすぐに相談して、薬の種類を変更して貰うなどすれば良い。

1万人超えたから性交渉を避ければOKではなく、そういう可能性がある人が、検査を受けて欲しいと訴えて、潜在患者の洗い出しをして、広がるのを防ぐことも大事になっていく。そうしないと、数は減らないのだから。いわゆる、注意喚起や、性交渉を減らす避けるではなく、積極的受診や細菌駆除を促す領域に入ってしまったのだ。


この記事へのトラックバック